2011年4月12日火曜日

冷静であるために

 私は1995年の阪神・淡路大震災を経験しています。大阪在住だったので、建物の激しい被災はなかったのですが、震度5強のゆれは(しかも寝起きの時間)は衝撃でした。下宿の大屋さんやおばさん、近所の方は悲鳴を上げて外に出ました。
 でも、私はそのとき妙に冷静だったのを覚えています。今にして考えてみれば、兵庫県南部地震の発生する2ヶ月前に猪名川町というところで群発地震が発生していて、私の指導教授が住民にそのメカニズムを解説するというので、その資料作成をしていましたし、関西の自然災害史や活断層地形なども研究の対象にしていたため、”ああ、どこかが動いたな”という感覚がありました。
 今度の東日本大震災に関しては、ちょっとうろたえました。まさか、あれほどの長距離にわたり断層が連動するとは、、、そして、2年ほどまえ、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術の文献を調べたこともありますが、その課題が、こんなにも早く現実に直面するとは、、、
 原発の処理には10年単位の時間がかかるといいます。別の言い方をすれば、いまの小学生が社会人になる時間です。この間に、”放射能と理科離れを食い止めて”自然科学のリテラシーを国民的に高めておけば、mっと冷静かつ自立した対応ができるのではないかと思います。この東日本大震災で、日本の地質構造や地盤と災害の関係など、大変多くの貴重な知見・データが得られるはずですから、私たちも学び、伝えていかなけれればなりません。

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