2010年10月31日日曜日

着眼点 - 島根県の現場

 ちょっと前の話ですが、応用地質学会の次の日に行った巡検地の写真が送られてきました。他意はないのでしょうが、私がよく映っています。
 右の写真は5人の目線が一点に集中しています。どこにでもある土留めコンクリートですが、視線の先には亀裂があります。 まあそれにしてもみんなの目が見事に集中しています。みなさん出身も経歴も全然違うのですが、斜面防災にかける思いは同じ。だからこそ、ここに亀裂がある意義を考えてしまう。近くには先祖代々の墓もあるため、普通の人にとっては落ち着いた里山であり、コンクリートを割るような圧力を持っていることを想像しにくい。しかし、私たちはボディブローのように進む斜面の不安定化を常に意識して、そして伝える責務があります。
 左の写真は、なぜか私一人だけの後ろ姿が撮影されていました。土留め石積み擁壁と同じレベルで階段に横亀裂がはいっていること注目していたのです。
※もう少し体を絞らないと、絵にならないなあ

2010年10月30日土曜日

同業達者

 今週は、昔(と言っても3年前ですが)の仲間と現地調査をともにします。私が28歳~35歳までの、技術者として、そして社会人としおて礎となる時期の6年半在籍していた会社の仲間です。私と同世代の人も多いのですが、ちょっとした結婚ラッシュがおこっていました。前職の会社で(OB含む)ここ1年で5人結婚、今の会社でも先ごろ婚約した人がいますし。。
 私は結婚と現在の会社への転職(最初の半年間はほとんど出向してましたし)がほとんど同時でした。そうなるように意図した面もありますが。結婚してから、自分の飯の種は自分でかせがなあという思いがつよくなりました。それと同時に、程度がありますが安くても誇りを持てる仕事をとりたい(あんしん宅地がその大きな夢 http://www.anshintakuti.jp/)と思うようになりました。
 いま我々の仕事でいうと、事業仕分けで林野庁が大きな話題ですが、防災、環境保全に本質的な貢献が出来るのだいう誇りまで仕分けられたら、家庭に幸せを持ち込むことが難しくなります。少ないパイの奪い合いになって、同業他社が世知辛いのライバル関係だけに陥ることにもなりかねません。同業者は技術を高めあう達者であるべきです。

2010年10月29日金曜日

豪華な地すべり工事

 地すべり地を回っていると、なにもこんなに対策工をつぎ込まんでも、、と思う事があります。地形図だけみると確かに「地すべり地形」は多いのですが、防災に必要な「これから動く可能性の高い場所」を”仕分け”ないと、地の中に多額の税金を埋めることになります。地すべりの変位率からみて、半分以上は安定していると思うのですが、、、

 地すべりの変位率
 http://www.kankyo-c.com/landslide/ls_hzumi.jpg

 地すべりの発生と安定化
 http://www.kankyo-c.com/lanslide.html

2010年10月28日木曜日

地すべりの多様性

 いま、地すべり地の現場の真っ最中です。いま生物多様性という議題もあがっていますが、地すべり地の生態系の多様性も改めて認知できます。あらゆるところに湿地があるし、どこからきたのかコイまでいました。下層植生も豊かだから調査はしんどいですが、、、

2010年10月27日水曜日

擬似岩塊流と堆砂断面

 応用地質学会の話を続けます。砂防の調査、あるいはその成果を見て、この断面はいくらなんでもとりすぎだろうと思うことがあります。土石流の規模を推定するために、その渓流の土砂移動状況を代表するところで、過去(あるいは現在)の土石流堆積物の幅、深さから、今後の豪雨でどの範囲まで土石流化するかを推定します。しかし、斜面の裾から裾までめいいっぱい断面として採用されている場合も多く見られます。
 応用地質学会では、『西日本における擬似岩塊流の形成過程についての検討』というポスター発表がありました。この発表では中国地方の渓床の擬似岩塊流の形成メカニズム(通常の河川堆積物なら下流に向かって粒径が小さくなるし、豪雨時においてもこの岩塊が動くほどの水流は考えられないことから、花崗岩の風下部のさらに下に堆積していたコアストーンが地表に露出した。その年代が前期更新世~鮮新世に及ぶ)が紹介されています。数百万年じっとしている堆積物。そういう発達史だから、土石流化しませんよということを、事業が成立しないことを理由に説明しない人もいますが、そんなことをするから”仕分けられる”のではないでしょうか。 

2010年10月26日火曜日

災害調査のあり方

 応用地質学会で『中国四国地方の応用地質学』を買ってきました。長谷川修一先生の肝いりということもあって、コラムにいたるまで高度な内容となっています。そのひとつに『災害調査のあり方』というコラムがありました。その一節を紹介します。

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 最近の傾向として、とにかく他よりも先に学会誌の掲載することが目的で、救出現場を勝手に歩き回る研究者が多いことも事実である。学会誌でも概要や速報が多く、その後の解析・分析、その後の対策工へのフィードバックが少ない。
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 災害現場は確かにいろんな情報、現象を目にすることができるので勉強にはなるのです。ただ、例えば七五三掛地すべり調査に行ったときもそうでしたが、まるで社会科見学のごとく15人も20人もがやがやと歩き回るのはどうかと思います。土石流の堆砂断面にしても5人も巻尺を持って両端、真ん中と立っています。あたかも物見遊山のようです。千木良先生は「災害ツーリスト」という言葉を使っておられますが、私たちもわきまえたいものです。

2010年10月25日月曜日

応用地質学における早期教育の重要性

 応用地質学会のポスターセッション№1のタイトルです。いの一番にこのような発表がきていることに、事態の切迫を感じました。
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4.1 なぜ科学が生まれたかの理解を先ず共有する
人間の学習は受け身ではいけない。そもそもなぜ科学が生まれたか、農耕で必要な気候予測や農地開発で必要なことから生まれた等、経緯を説明することによって、主体的に理科に関わることができると考える。
4.2 自然現象を解明するメリットの理解を共有する
なぜ自然現象を解明しようと科学はしてきたのかについて、先人の人達の生き様を含めて学ぶべきと考える。そうすれば生徒それぞれで学ぶべきゴールを見ることができる。
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 これを現実にするためには、私たち実働部隊が「利」系にはまりすぎず、基準にはまりすぎず、それらにはまったことによって作られたデータに振り回されず、て自分の判断に誇りを持つ姿を見せることではないのでしょうか。

2010年10月24日日曜日

土検棒を用いた急斜面の地形解析

 (独)土木研究所で開発された「土壌強度検査棒」が紹介されていました。さらに、土層深分布、土質強度測定結果を用いたハザードマップの作成例も示されています。

 土砂崩れ、表層崩壊の危険箇所を絞り込む「土壌強度検査棒」(土検棒)
 http://www.pwri.go.jp/jpn/news/2010/0915/tokyo2010_3.pdf

 斜面の地形分類といえば、これまで地すべりや岩盤クリープといった面的な要素が主体で、表層崩壊の発生位置は遷級線の分布から考えるのが中心でした。しかし、保全対象を絞って家屋背後の渓流しや斜面だけを対象にし、このようなハザードマップを作れば(地表・地質踏査は大変ですが)かなり防災に使えると思います。

2010年10月23日土曜日

愛着のわく技術


 応用地質学会の翌日に出会った技術者の方が、ある岩塊崩落のあった斜面模型を発砲スチロール材?を用いて手作りされていました。。最近は、レーザー技術の高度化によってデジタルデータの精度は向上しましたが、その一方で一般の人にとっては親しみにくいといえます。この模型はデジタルデータをアナログで表現するという逆転の発想で、高度技術と親しみやすさを両立しています。
 右の写真は、鳥取県境港市にある水木ロードにある橋梁です(まあ、楽しそうな表情だこと)。この橋梁のデザイン設計者と、さきの地形模型の作成者が同じ人なのです。アイデアマンですねえ。

2010年10月22日金曜日

都市の”地質的に若い斜面”の問題

 私の会社の後輩も口頭発表をしました。どうも緊張しすぎていたようで、本人も大失敗と言ってました。私はそのころポスターセッションの後片付けをしていましたので、直接聞くことは出来ませんでした。彼が伝えたかったのでは、道路・ダム・トンネルに代表される社会インフラ整備のための斜面研究は一般に大規模で古い時代の岩盤が多い、しかし、都市には比較的若い斜面で暮らしに直結した斜面問題が無数にある。まさに、土木地質はシビル・エンジニアリング、市民のための地質技術なのだから、応用地質学会でも、もっと議論の場を増やすべきということです。

2010年10月21日木曜日

地すべり・崩壊・土石流

 絶版にはなりましたが、鹿島出版会に『地すべり・崩壊・土石流-予測と対策-』という本があります。

 http://www.amazon.co.jp/%E5%9C%B0%E3%81%99%E3%81%B9%E3%82%8A%E3%83%BB%E5%B4%A9%E5%A3%8A%E3%83%BB%E5%9C%9F%E7%9F%B3%E6%B5%81%E2%80%95%E4%BA%88%E6%B8%AC%E3%81%A8%E5%AF%BE%E7%AD%96-%E5%B0%8F%E6%A9%8B-%E6%BE%84%E6%B2%BB/dp/4306021165

 このタイトルは土砂災害についての課題を最もシンプルに表していると思います。いま専門家の間では、岩盤クリープや緩み岩盤など用語の是非も問われています。海外では全てLandslideの一言に集約していますが、それくらいシンプルでもよいではないかと思います。
 さて、今回の応用地質学会では、開催地と同じ中国地方で昨年土石流災害があったこと、最近「深層崩壊」がメディアでとりあげられたこともあって、いつにもまして地すべり・崩壊・土石流の地道な調査報告が多かったように思います。最近はレーザーデータが頻繁に用いられるので、地形解析は盛んですが、そこで終わって発達史的背景への考察がちょっと薄くなった印象もあります。

2010年10月20日水曜日

応用地質学会の準備

 明日の朝7:10に羽田フライトなのですが、なかなかPPTもポスターセッションも進みません。まったく違うテーマで2つの発表をするのはなかなか大変です。今回の応用地質学会はとてもエントリーが多く、口頭発表の時間はわずか10分。社長は短いからこそ、自分の言葉でキャッチコピー的な言葉を多用しひきつける努力をしろといいます。わかってはいるけど、このことこそ技術の真髄です。

2010年10月19日火曜日

Satoyama!?

 最近クマ出没のニュースが多くなっています。その原因は、奥山と里山の境界がなくなり、クマにとっては里山も奥山的環境も区別がつかなくなったのだとか、、それにしても今日何かのテレビ番組で『SATOYAMA』なる言葉を見かけました。SABOのように、世界共通語なのか外国語に訳しようがないのかわからんなというのが率直な感想です。自然現象はファジイな所にキモがあるのに、妙に”特定”しない方が良いと思うのですが、、

2010年10月18日月曜日

まさにその裏側

 地すべり学会誌最新号に、『七面山の山体重力変形地形とクサビ状陥没』というレポートが掲載されていました。

 http://japan.landslide-soc.org/publications/gakkaisi/pdf/c47_5(197).pdf

 間がいいのか悪いのか、明後日から開催さっる応用地質学会で、私の研究対象となっている同じ場所の微地形判読図も掲載されています。私はもう少し詳しい判読図を作成したつもりですが。
 実は七面山崩壊の”真裏”に、もうひとつの荒廃渓流があります。ここも山体重力変形地形が数多く発達する流域ですが、いまのところだれも具体的には研究していません。ここ数十年でかなり目立った地形変化を示しており、七面山と比較するにも面白いところです。

2010年10月17日日曜日

空中電磁法による地質調査

 先日の地質技術勉強会で、空中電磁法による地質調査法が紹介されました。地下の比抵抗分布を3次元的に測定・解釈することによって地下の地質状況を判定するものであり、広範な地域やアクセスが困難な山岳地域における地質調査、地すべり調査、各種路線計画などに有効な調査技術です。
 ミソなのは、ここに”解釈”という言葉が入っているところです。発表者も、熟練した地質技術者の目とのマッチングが課題であるとされていました。物理探査は常に便利ところと技術者の眼力のコラボレーションが大事だということでしょうか。

 http://www.ne-con.co.jp/products/electromagnetics.html

2010年10月16日土曜日

室内試験と現場のイメージすり合わせ

 今日は月に一度の地質技術勉強会でした。その後3次会まで続いた飲み会に参加した若い技術者と有意義な話をすることができました。そのなかで、外の現場にいくまえに試験所で岩盤室内試験の現場を見せてもらっており、それが外の現場に出たときに生かすことができるという話がありました。 岩盤室内試験の画像がなかなかないのですが、電中研のサイトにありました。  
 http://criepi.denken.or.jp/result/pub/annual/2006/06kiban32.pdf

 私は基本的に空中写真判読と地表・地質踏査ばかりなので、このような試験の現場を経験していません。崩壊地を踏査するときも、いつも”結果”をみているのですが、崩壊が発生するまさにその瞬間、岩盤がどう”きしむ”のか、”動く”のか、室内の仮説でもイメージを持つということは、実はとても貴重な経験ではないかと思ったのでした。

2010年10月15日金曜日

緑のダムのイメージ

 新藤先生の四方山話に次の一節があります。

 http://www.jkeng.co.jp/file/column002.pdf
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広葉樹林の“緑のダム”効果はスギやヒノキなどの人工針葉樹林のそれより勝っている、という考えも短絡的といえる。すなわち、インプットである降水とアウトプットである流出との間には植生環境以外に、土壌・地形環境が存在し、むしろこちらの方が本質的であるといってもよいのである。九州大学名誉教授の竹下敬司氏は、長年にわたる森林水文に関する研究をまとめられた著書の中で次のように述べている。『最近、“みどり”の標語と共に植生への関心が高まっているのであるが、植生機能の理解に際して、買いかぶり、見くびり、解釈の正誤等があって、必ずしも正当な情報が流れていない。』と述べ、さらに『人工林樹種を非難するのとは反対に、気に入られた広葉樹については、機能の買いかぶりがなされている場面も少なくないようである。スギ林を伐り倒して、広葉樹に植え替えれば、水源涵養機能が高まり、崩壊防止機能も高まる・・・と信じている人々の主張を前にして、か弱い下草の機能を強調しても、ムード的に理解して貰えない場合が少なくないようである。』と述べ、偏見や誤解が多いことを指摘している。
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確かに「緑」とか「エコ」とかいうイメージ先行の言葉が議論を少なくしている感は否めません。先生も指摘されているとおり、地形・地質・土壌といった”うつわ”が水・間隙水圧に対してどのように作用するか、総合的に考えなければいけません。

2010年10月14日木曜日

チリ落盤事故の救出劇

 私も固唾を飲んで見ていました。先月深田地質研究所で行われた講演会で、南米のレアメタルについても触れられましたし、フェニックスを通す穴を掘削したのは、アメリカの技師で、井戸掘りの名人でもあったようです。33人目に助けられたリーダーの方の功績はもちろん大ですので、組織論が好きな日本人はそのリーダーシップについて語ることでしょう。しかし、そこには様々な技術があったことも忘れてはなりません。地上と地下のリスクマネジメントが最高の形で機能したといえるでしょう。

2010年10月13日水曜日

地すべり学会誌特集号

 今度(といっても発刊は来年の11月の予定だそうですが)の地すべり学会の特集号は「地震による人工地盤の地すべり」です。このようなテーマで言えば、1978(昭和)53年の宮城県沖地震で切土と盛土境界に被害は集中することが明らかにされ、1995(平成7)年の阪神淡路大震災や2004(平成16)年新潟県中越地震で谷埋め盛土の滑動崩落、昨年の名もなき地震で崩落した東名高速道路、、いろいろありますが、仙台の陥没事故などを見ていると、盛土の疲労が蓄積しているのかもしれません。

2010年10月12日火曜日

現場に生息するヤツラ

 昨日まで土石流災害調査に行っておりました。ひしひしと感じたのは里山の衰退。スギの植林はされているものの下草が繁茂し荒れ放題。間伐材は放置され腐り始める。鹿が我が物顔で道路におりてくる。ついでに”ヒル”もついてくる。広葉樹林の伐採に伴って、草本~低木類が生育しシカに多量の食物を供給しました。こうしたことが相まって、今日現地踏査をしていても、すぐ近くに鹿の群れが出てくるようになりました。さらに悪いことに、鹿とともに"招かれざる客”ヒルの被害が増えることとなりました。
山は気持ちよく歩きたいものです。

2010年10月11日月曜日

防災格言

 Seiさんの防災格言が時々届きます。先日は、その原点とも言うべき記事を読みました。

 http://yaplog.jp/bosai/archive/97 災害に備えるということは
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『 まずは自分と家族の命。そして次に災害の後の生活の心配 』
最も理想的なのは、地盤が堅く(地震)、海抜も高く(水害)、土地や家の周りも広いところ(火災・延焼を防ぐ)でなお且つ、住みやすい環境に堅牢な家を建てて定住することですが・・・と言っても、なかなか難しいので、生活環境の手の届くところから対策すると良いでしょう。重い荷物や家具の配置や整理から、家族が寝る部屋で、特に枕の部分に重い家具が倒れてこないように配置がえしたり・・・避難路となる場所にじゃまな荷物を置かないようにする、ガラスが飛散して怪我をしないようにしたり、なんてのも立派な対策なんですね。そして、生き残った後の生活を自分で想像します。実は、これが最も難解なのです。と言いますのも、人によって、各々の住環境によって、被災状況の想定が大きく異なるからです。
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2010年10月10日日曜日

仙台の住宅街が陥没

 ケンプラッツに仙台の住宅街の陥没事故に関する記事がありました。

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20101006/543674/
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20101006/543674/?SS=imgview&FD=-1139667254

 谷底平野の盛土、地下水の水ミチがあるような気がしてなりません。

2010年10月9日土曜日

秋の大雨

 今日は秋の大雨。三重県南部では時間雨量120㎜に達したのだとか。。明日は晴れそうですが、ヒルがでそうだなあ、、、、

2010年10月8日金曜日

災害の記憶の風化

 土木学会斜面工学研究小委員会の長谷川先生の記事を読んでいました。
 http://www.jsce.or.jp/committee/jiban/slope/100821/20100821hasegawa.pdf
 
このスライドのなかで、「1912年塩江町蛸山の崩壊を忘れないで下さい」というタイトルのページがあります。災害を解説した看板が錆びて朽ち果てている様子です。実は、私も同じようなものを目の当たりにしたことがあります。横須賀における都市斜面の地すべりの看板が朽ち果てた様子です。

 http://design-with-nature-simogawa.blogspot.com/2010/06/2.html

 災害の記憶と想像力を豊かにすることが、防災への第一歩です。

2010年10月7日木曜日

庄原土石流災害の報告(地すべり学会)

 地すべり学会のHPに土木学会、砂防学会、地盤工学会の、2010年7月16日に発生した土砂災害の調査報告が掲載されていました。

http://japan.landslide-soc.org/news/2010/20100819syoubarakinkyuucyousa.pdf

 写真を中心とした119ページに及ぶレポートです。ほとんど全てふが表層崩壊と言った様相です。おそらく根系層程度に留まっているのではないでしょうか。

2010年10月6日水曜日

生物多様性

 今、三重県にいます。名古屋で生物多様性に関する国際会議が開かれるようですが、国土の3分の2が森林であり、寒流・暖流あり、火山あり、亜寒帯から亜熱帯あり、、、日本の自然をいくつか巡検してみれば会議はいらないのでは、、、

2010年10月5日火曜日

高野秀夫「斜面の防災・別記」

 以前のブログを自分でも見なくなりましたが、重要なURLがあったのでとりあえずこちらにも転記しておきます。

 高野秀夫「斜面の防災・別記」
 http://www.ctt.ne.jp/~myama/slope_landslide.pdf

2010年10月4日月曜日

斜面変動の模式図

 応用地質学会に向けて、深層崩壊につながる斜面変動の模式図を描こうとしています。以前自分の論文で、地すべりの地形発達史に関する模式図を描いたのですが、岩盤クリープに関しては用語にこだわる方も多くなかなか進みません

 http://www.kankyo-c.com/landslide/ls_life.jpg

2010年10月3日日曜日

意外と冷めたリニア新幹線へのコメント

 ケンプラッツの記事にこのようなものがありました。

 リニア新幹線の審議で見えてきた問題点
 http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/knp/column/20101001/543589/?P=2
 
 ケンプラッツはコメントを受け付けている記事もあるのですが、そのなかで、

・リニア新幹線が必要なのは東海道新幹線を作り直す必要があるからでしょう。開通から46年たちメ ンテナンスで延命しきれなくなるのは目に見えている。補修ではなく全面交換の期間の代替手段ですから交通量の需給と無関係に「なにがしかの」新線が必要です。

・航空業界はLCCの参入が急速に進んでいる。国内線も世界的な価格競争の波にさらされるのは時間の問題だろう。そうなれば当然中央新幹線も価格を下げざるを得なくなる。その点は十分考慮されているのだろうか?

・はたして2027年にそこまでの移動速度への需要があるでしょうか?

 社会インフラ整備の維持管理も防災の重要なテーマですが、ずいぶん冷めています。

2010年10月2日土曜日

地下水四方山話

  前の会社の後輩が、山地の地下水動態に興味を持っているというので、新藤静夫先生の「地下水四方山話」のサイトを紹介しました。以前は、「ジオドクターの野帳から」という連載だったように思いますが、変わったようです。

 http://www.jkeng.co.jp/file/column003_1.pdf
 斜面物質の排出→間隙率の増大→パイプ網の発達→地下空間部分の増大、といった一連のプロセスは、地中水の集中流現象を拡大要因として加速化し、斜面崩壊につながる可能性もあることから、斜面災害上でも注目すべき現象といえる。斜面内部におけるこのような構造の発達はいわば、"斜面の疲労" とも言えよう。

2010年10月1日金曜日

社員をサーフィンに行かせよう

 世知辛い世の中なんとも爽やかなタイトルです。「猛暑日」なんて見も蓋もない言葉で埋没してしまった、本来は爽やかであるはずの夏を思い起こさせてくれます。

http://www.alterna.co.jp/archives/001.html
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実はいくつか狙いがあります。その第1は「責任感」です。今日サーフィンに行っても良いか、いつまでに仕事を終えなければならないか、いちいち上司にお伺いを立てるようではいけません。もしサーフィンに行くことで仕事が遅れたら、夜や週末に仕事をして、遅れを取り戻せば良いのです。そんな判断を社員一人一人が自分で出来るような組織を望んでいます。
第二は「効率性」です。自分が好きなことを思いっきりやれば、仕事もはかどります。午後に良い波が来ると分かれば、サーフィンに出掛けることを考えます。その前の数時間の仕事はとても効率的になります。
例えばあなたが旅行を計画したとすると、出発の前の数日間は仕事をテキパキやるでしょう。旅行中に同僚に迷惑を掛けたくないこともあるでしょう。あるいは旅行を前に気分が高揚して仕事が進むのかも知れません。その気分を日常的に味わえるのがパタゴニアなのです。

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http://www.patagonia.com/jp/product.go?style_color=bk502