2012年6月27日水曜日

U-45

今岡さんが主催しておられる島根県技術士会青年部会というサイトがあります。
http://peshimane.s3.zmx.jp/modules/news3/article.php?storyid=38

 まず目に留まったのはU-45という点です。私が参画している研究部会は、UnderどころかAve55といった感じです。私が初参加した2003年からもう9年になるのに、顔ぶれが変われどなぜか私が最年少なのです。私がU-45でいられるのは、次のオリンピックイヤーまで。”たたき台”をたくさん作ってくれる世代を増やさないといけないのですが、、、

2012年6月25日月曜日

個人でもできる降水量の測り方 -やや正確に-牛山先生のブログから転載

http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-dacb.html
ある程度正確な降水量を、簡単に観測するための道具として、いろいろな簡易雨量計が提案されているが、市販されているものはないようである。筆者が試作した簡易雨量計は、科学実験用のポリエチレン製ロートの管の部分に、カーステレオなどの防振用として市販されている粘着テープを巻きつけ、清涼飲料水の1.5リットル入りペットボトルに取り付けたものである。これに貯まった降水を、100mlメスシリンダーで計測し、次式によって降水量に換算する。

真夏の現地調査では、500mlのペットボトルを多用しますのが、それを使って湧水量を測る感覚に近いでしょうか。

2012年6月24日日曜日

個人でもできる降水量の測り方 -ごく簡単に-牛山先生のブログからの転載

http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-f6db.html
阪神大震災後に、神戸地区の灘五郷酒造組合加盟の酒造メーカー各社から、日本酒のワンカップのラベルに目盛りを書き込んだ「目盛り付コップ酒」(通称:ワンカップ雨量計)が市販されたことがあった.ラベルの位置の制約により、20~30mm程度の強い雨でないと観測できないのが残念だが、これも一つのアイデアではあろう。残念ながら「ワンカップ雨量計」は、最近ではほとんど見かけることがなくなった.

ワンカップ雨量計があったことは知りませんでしたが、防災に対するとっつきとしては親しみやすいでしょう。

2012年6月20日水曜日

土砂災害防止月間

6月は土砂災害防止月間です。昭和58(1983)年から建設省・国土交通省が、土砂災害に関わる備え、啓発活動を行っています。でも、もうちょっと有名になってほしい気がします。子供達の作文を表彰するなり、一般市民への講演等も行っているようですが、防災のための技術論があってもよいのではないでしょうか。

2012年6月19日火曜日

明治三陸地震から116年

牛山先生の記事から

 http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/116-4db0.html
 1896年6月15日,岩手県沖を震源とするM8.25の地震が発生し,揺れは軽微だったものの大規模な津波が発生し,岩手県沿岸全域と宮城県沿岸北部を中心に,死者21959人の被害を生じました.近代以降2番目に大きな人的被害を生じた,いわゆる「明治三陸地震津波」です

 東日本大震災を1000年に一度とよく言いますが、はたしてそれでいいのか、ということを思い知らされます。

2012年6月18日月曜日

災害調査にて

  昨年の震災の契機とした斜面防災点検にきています。そしたら台風4号が直撃し、調査地点に向かう道の擁壁が崩壊したというのでまわり道をしてくれとのことでした。土砂の処理が終わったところで、崩壊現場を見に行きました。老朽化したモルタルの崩壊で、崩壊しなかった部分をみてみるとクラックや湧水が多く、地山との接着が悪いように思えます。受け盤の斜面や割れ目の発達した岩の斜面でした。
  地形学の鈴木隆介先生は、、自然の地形は、地形営力と地形物質の抵抗力との比(工学的には安全率)において、ギリギリの状態で安定しているのである。ゆえに、自然条件の変化や人為的地形改変で安定条件が少しでも変わると、即座に地形が変化する。これが地形の特質である。ということを述べておられますが、”斜面を切土したらさしあたってモルタルで、、、”のような感じで施工され淡々と老朽化し、自然に回帰した、とでもいおうか、これからあちらこちらできりがないほど発生しそうな小規模高頻度災害です。

2012年6月17日日曜日

揺れ”も?”注意

  毎週日曜日の神奈川新聞には「減災新聞」として防災面に特集号になります。今日の新聞では南海トラフ巨大地震検討会が発表した津波予測(高知の黒潮町で34mと予測されたものです)が引用されていました。東日本大震災では津波のインパクトが強かったせいか、揺れに”も”という表現になっています。予想される深度は6弱であり、「人が立っているのが困難で、耐震性の低い木造住宅が倒れたりする」レベルです。
   それはそうなんですが、気になるのは、いわば「都市斜面からの津波」、つまり谷埋め盛土の滑動崩落です、三浦半島は地すべり地帯も存在します。震度6は、人だけでなく盛土や斜面も経っているのが困難な状況になります。道路はいたるところで崩壊し、復旧の妨げになりますし、地震後の生活設計も立てるのが困難になります。

2012年6月16日土曜日

崩壊地の自動抽出

崩壊しやすい斜面はどこかという問にたいして、地形情報を定量的に分析して自動抽出しようという試みがあります。どうもこれは地形図の測量精度に依存するので好きではないし、数字だけが一人歩きしやすいので、、、道路防災など地質技術者が関わることが多いのであまり自動抽出は行われていないのようですが、砂防となると自動抽出ばやり、、この差はなんなんでしょうか。広域的な評価が必要な場合、現地調査が大変という理由も多きいようですが、そこは土検棒で解決できる問題なので、地形発達史・地質特性の定性的なモデリングの精度を高めることに、いっそうの研究をしようと思っています。

2012年6月15日金曜日

IT断食のすすめ

最近は少々現場に遠くても、ネット環境の整ったホテルやWi-Fiの使える宿に泊まることが当然のようになりました。相手先から、いつ何時データが来るかもわからないし、メールもどっさり来ていることがあるからです。さて、、、 

・増えていく一方のメールの処理に使う時間は馬鹿にならない。綺麗な会議資料を作ることにも、ミーティングの調整にもやたらと時間が掛かる。あるいは項目がどんどん増えていく管理システムへの入力。パソコンに向かって作業をしていることによって喪失する生の会話時間。

・CADによって便利になった反面失われる空間創造力や構想力。

・気になることは現場に行き、体で確かめることもする。たくさんの人と対話してみたり、たまには鉛筆を持って文章を書いたりスケッチしたりする。

ここだけ読めば、どなたかベテランの地質技術者の方が若い社員に叱咤激励しているようにみえます。空間想像力や想像力(自然観)、現場に行き体で確かめる、スケッチするなど、地質技術の向上にとって必要不可欠な言葉が並んでいるからです。実は、この文章は、IT業界の方が書かれた『是正勧告』というコラムの文章です。

http://it.impressbm.co.jp/e/2012/06/13/4428

最近私も地形分類図をPCだけで作ることが多くなりました。これは航空レーザー測量により従来の等高線図に比べて情報量が圧倒的なのだから、地形分類はややもすると現場にいかなくてもできるだろうという、一種独特の空気が背景にあります。しかし、まさしく空間創造力や構想力は、現場や手作業によってしか得られないことを実感します。このコラムに書かれている、”行動が散漫になる脳を呼び覚まし、バカにならないバランス”感覚を養う余裕がなくなってきています。

2012年6月14日木曜日

「社員をコスト扱いするな」岐阜に日本一幸せな会社

「社員をコスト扱いするな」岐阜に日本一幸せな会社
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120615-00000512-san-bus_all

私たち建設コンサルタント業界は個人の技量に依存するところが大きいのですが、思いっきりコスト扱いされているような気がします。技師A、技師B、あんたは○才だから技師○でしょ、、、などなど、、、、それはしょうがないとして、技術論の前にコスト論が上回ると「餅」にはなりません。

2012年6月13日水曜日

岩手・宮城内陸地震

  今日は岩手・宮城内陸地震から4年です。大木聖子先生は、内陸地震と東北太平洋沖地震のようなプレート境界で発生する地震との関連はよく分かっていないと述べられています。
私のように、山地斜面やその地形発達史を考えるものにとっては、地震そのものよりも荒砥沢地すべりに衝撃を受けた人が多いと思います。2004年新潟県中越地震とともに、大規模な地すべりの発生が”記録・観測”された地震であり、東北や北陸地方にある巨大な(初生的)地すべり地形は、直下型地震でおこる、との考えを強くした地震でした(両者には、地表地震断層が水田に微妙に現れ、目立つリニアメントの崖ではなかった点も共通しています)。氷期と間氷期のサイクル等から地すべりの多発期があるのではないかと言った論文もいくつかありますが、地すべりの発生から活動、消滅に至る過程もよく分かっていないのかも知れません。

2012年6月12日火曜日

防災格言

中部・近畿地方は歴史的に大きな地震が発生してきている。 地球科学的に見ればこの地域は地震活動の活発な地域であることを忘れてはいけない


山岡耕春(1958~ / 名古屋大学教授 地震火山・防災研究センター長)


曰く―――『 濃尾地震(M8.0 歴史上で日本最大規模の直下地震)が起きた中部地方や1995(平成7)年の兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)が発生した近畿地方は日本でも活断層の密度が非常に高い地域であり、歴史的にも地震が多発している。しかしながら、兵庫県南部地震発生前には関西には地震が起きないなどという誤解もあった。これは、自然や地震発生の仕組みに対する一般の理解不足を反映したものであろう。

2012年6月11日月曜日

地すべり学会誌でも

地すべり学会でも航空レーザー計測に関わる特集号が組まれるようです。一種のブームのような感じがします。”細かいモノ”が検出できますよ、、という物理的な視点やDSMによる斜面挙動といったものが主流となるのでしょうか。

2012年6月9日土曜日

人間とコンクリートの寿命

 このところ(ややいまさら感がありますが)、首都高速などインフラの老朽化が話題になっています。また、築40年を経過した団地の地盤診断をしていた際に、若い人はいるが、この団地を継いでくれるかどうか、、災害などでぼろぼろになった状態で引き継ぎたくない、、という声を聞きました。
 さて、上の画像は、小林ー輔(1999):『コンクリートが危ない』岩波新書 の42ページに掲載されていた図です。図のタイトルは”橋梁とマンションの建設年代と寿命との関係”ですが、サブタイトルに”日本人の平均寿命と逆になっている”と書かれています。東京オリンピックからそろそろ50年ですが、そんなタイミングで地震の大活動期に入ってきました。ちなみに”谷埋め盛土”の大量造成時期もこのグラフに重なってくるのでしょうか(谷埋め盛土は幅・深さ比が大きな要因ですから、経年はどのようなファクターになるのでしょうか)。

2012年6月8日金曜日

富士山噴火で避難計画

ある番組で宝永噴火の降灰状況をシミュレーションし、現代都市に降り注いだらどのようになるかCGを見せていました。私は砂防学会で発表した現場で、宝永スコリア、軽石層をみてきましたが、これはちょっとどうにもならんと思いました。加久藤カルデラも元気になってきたようなので、”リアル死都日本”も怖いところですが、、、、、、、、

2012年6月6日水曜日

シェフが必要- 応用地質学会にて

応用地質学会のシンポジウムで、座長から「航空レーザー計測地形図の精度は向上しても、それを扱うシェフが不足している」との指摘。作った仏にどう魂を入れるか、長年の課題です。

”シェフ”が必要。確かにそのとおりですね。畑の畝を整備する技術は高くなっているが、その土壌には何が適するか、というところから始めなければならないというのが実情ではないでしょうか。
この課題を克服するためには、ショウウィンドウに作品を並べレシピを作り、役に立つことを伝えなければならないでしょう。

これまでにも土地条件図、治水地形分類図がありましたが1980年代に羽田野誠一さんが「詰め込み弁当」と揶揄されたと記憶しています。とくに平野の土地条件図は、高盛土でない普通の宅地盛土も記載されたり、避難所など防災には必要であるが地形発達史的とあまり関係のない項目が含まれていたりと、確かに詰め込み弁当的です。

山地斜面の地形学図については、地すべりやリニアメント等の”素材”がなければ、調理例もあまりないというのが現状です。

2012年6月5日火曜日

津波堆積物を探す

  社内巡検と称して、津波堆積物の露頭を探してみました。東海地震による津波の歴史も、そして今後の危険性も懸念されている地域です。数年前に房総半島で行った巡検に参加したときは、泥層のなかに貝を挟む砂層があり、さらに外洋性の有孔虫が発見されたので、津波堆積物として認定しました。二匹目の何とか、、、
  しかし、今回行った場所は礫浜で、もともと外洋から砂が運ばれるような環境でした。入り江の奥の内湾的な環境なら少しはのこっているだろうかと、最初から淡い期待ではありましたが、そう簡単にはみつからんなあと、蚊に刺されながら一日汗をかきました。

2012年6月4日月曜日

災害の記憶と想像力

 とある神社の階段にある石碑です。地域住民の方からよく問い合わせがあるのだそうですが、確実な伝承に基づくものだそうです。ただ、江戸時代の安政地震のときはもっと高い津波であったということが言い伝えられてはいるが、古文書や記録が残念ながら保存されていないのだそうです。ご住職はそのことは気にされていましたが、漁業中心の町であるだけに、生活の基盤を考えると安易に高台移転ということも難しい話です。

2012年6月1日金曜日

六月

どこかに美しい村はないか 一日の仕事の終わりには一杯の黒麦酒 (途中略)

どこかに美しい人と人との力はないか
同じ時代をともに生きる 
鋭い力となって たちあらわれる

茨木のり子さんの「六月」という詩です。土砂災害災害防止月間だの梅雨だの、うっとしい言葉は文字通り雨のように出てきますが、どうやったらこんなに鮮烈で爽やかな言葉が出てくるのでしょうか。

さて、応用地質学会のシンポジウムでは、航空レーザー計測と地形表現とその利活用について話しあわれました。初めてレーザー計測地形図を見たときは、それこそ鮮烈な印象でした。現在は国土の45%がなんらかのレーザー計測データがあるんだそうです。普及から利活用の十年へ、、いまのところ航空レーザー計測はいわゆる「山仕事」ですが、津波防災にももっと活用していく方法を模索しているところです。