2013年7月25日木曜日

JR西日本、乗務員向け避難支援アプリを開発…きのくに線の津波対策

http://response.jp/article/2013/07/24/202843.html
 きのくに線は紀伊半島の西岸沿いに線路が敷設されており、津波発生時に避難が必要となる場所も多い。こうしたことから同社は、和歌山県のハザードマップを元に、浸水区間を想定した避難地図を作成していた。
     しかし、乗務員から「地図を何枚も携帯しなければならない」「緊急時に必要な地図を探し出すのに時間がかかる」「夜間は明かりがないと地図が見えない」などといった意見が寄せられたことから、業務用のスマートフォンにインストールして使用する避難支援アプリを開発した。
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 「地図を何枚も携帯しなければならない」「緊急時に必要な地図を探し出すのに時間がかかる」「夜間は明かりがないと地図が見えない」
 こういった現場の声に対応したアプリはとても実用的なものでしょう。一般にも広がってほしいし、現在地を確かめるという、地域を知るはじめの一歩にもなってほしいものです。

2013年7月15日月曜日

ファミコン30年 ニゴマンも全国整備30年

 ファミコンは今日で30年なんだそうです。娯楽が屋外から画面へと大きくシフトして30年といったところでしょうか。
 さて、25000地形図が全国整備されて今年で30年なのです。ファミコンほどの衝撃はなかったかもしれませんが、これによって段丘区分や活断層研究など、私達の暮らしに大切な地形情報が整備されるにあたり、大貢献したのは間違いありません。

 あるネットのコメントで、

 昔は発想と作り手の腕が評価された時代。人数でもソフトは作れたし、味が良ければ評価され
売れた。いいゲームも駄目なゲームも玉石混交ながら、活気があった。今はグラフィックが重視されていて、どうしても手間(=開発費)が掛かり、単価も売り上げも高くないと元が取れない上、とっつきが悪いとそのまま沈没。

 というのがありました。地形図も最近はビジュアルになり格段に高精度になりました。でもなかには仕様さえ満たしていればよいとでもいうのか、縮尺が大きく等高線が多くても、尾根や谷が忠実に再現されていないものもしばしば、、”腕”とか”味”とか数値化しにくいものは評価されにくい点は共通しているかも知れません

2013年7月14日日曜日

応用地形判読士の問題 - 麓屑面

  応用地形判読士の一次試験の問題で、「麓屑面」に関する問題がありました。斜面の堆積地形を示す言葉としては崖錐が一般的で、崩積土という一種のスラングもありますが、「麓屑面」という言葉はなかなか使わないでしょう
  鈴木先生の読図入門によると、麓屑面とは「主として集団移動の定着物質から、雨蝕で洗い出された細粒物質や土壌行で再移動した細粒物質が、それらの集団移動地形の下方に再堆積して生じた緩傾斜面」と定義してあります。ただ、試験問題はそのような絵ではありせんでした。
  また、私が学んだ「麓屑面」は、神戸大学の田中・野村先生の地形学です。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/grj1984a/59/5/59_5_261/_pdf

   どちらが正しいなどは別として、(雪崩道・アバランチシュート・筋状地形もそうですが)、複数の考え方があり、それによって防災面の意義も変わってしまうような事項ではないでしょうか。

2013年7月13日土曜日

応用地形判読士の一次試験

 昨日、応用地形判読士の一次試験を受けてきました。
 午前の部は、問題用紙の分厚さにびっくり。専門問題の読図問題が、一問につき一ページでしたのでどっさりしてたのでしょう。但し、地形の形成過程、災害環境(地形場)を考える上で微妙な問題や、地形種を説明として微妙なもあったように感じます。
  例えば、山頂付近に半円形をした地形があるため、この地形は圏谷であると考えられる、という問題肢、「山頂付近に半円形をした地形」は、カールだけに出来る地形ではないといえます。例えば七面山大崩壊やその南側の流域では、山頂・尾根付近で半円形をした地形が形成されています。いわゆる”深層崩壊跡地”であれば、そのような地形が形成されるでしょう。
 このほかでは、写真と地形図を切り抜いて、斜面の地形・地質を問う問題もありました。が、これは悩ましかった(多分、私は不正解でしょう)。全て正解に見えます。聞いたら二番目がボタ山であるので侵食に強い岩石ではないとのこと、、私は姫路か香川県などにある残丘と採石場かなあとおもいました、、周囲の地山と比較して地形場を考えさせるような問題でないとあまり意味をなさないでしょう(負け惜しみですが、、、、)。
 雪崩道に関する問題も悩ましかった(鈴木先生の本では雪崩"路”)。私はいわゆるアバランチシュートと筋状地形とを区分した考えていますが、雪崩道がどちらなのか、、、
 由利本庄市の地形図を用いて、沖積段丘の形成要因を聞く問題もありました。まづ、沖積段丘と言う用語ですが、完新世段丘と呼ぶべきでしょう。河川の沖積作用と紛らわしいからです。鈴木先生の本、今村遼平さんの本にも”沖積段丘”という言葉はでてきません。それよりも、なにもここで完新世段丘の形成要因を問うのはどうでしょうか。広域的な海水準変動や地殻変動をとらえるには図の範囲が限定されすぎています。堰き止め湖があって干上がったとするなら、結構有名なイベントとなっているはづですので、どこかで聞いているでしょう。悩んだ結果、縄文海進の影響かなあと、、関東の相模平野が向いているでしょう。
 全体的には、地質調査技士と応用地形判読士と技術士補(応用理学地質)が入り乱れて、的が絞りきれていない感じ。特に午後の部門の記述式問題は、判読のアル意味楽しみである読図がなかった分、去年より難しくなったといえるのではないでしょうか。正直私も自信がありませせん。

2013年7月12日金曜日

隠岐ジオパーク

googleアラートで届きました。

http://www.oki-geopark.jp/lifestyle/wisdom/000089.php

地すべり地形はこれまで災害要因としてネガティブにとらえられがちでしたが、美しい景色を構成する要因としてとらえられるようになってきたことを感じる記事です。

2013年7月6日土曜日

地形で岩盤を読む

いよいよ応用地形判読士の試験も迫ってきました。鈴木先生の演習問題設問3では、島の地形について、緩斜面の成因から砂浜の形成過程、離岸堤の拡張に至った背景など、多くのことが問われていますし、表層地盤の構成物質や強度を問う問題も多く、何度読んでも勉強になります

2013年7月3日水曜日

EADaS手法

http://www.jreast.co.jp/development/tech/pdf_26/Tech-26-59-62.pdf
EADaS手法に基づく災害危険度評価システムの開発

 EADaS手法では、評価対象地点の自然環境を特定するための数々の質問を、系統的かつ自動的にシステム操作者に問いかけるようになっている。操作者が地形図や地質図などを見ながら、その質問の回答を選択することにより、その地点のEA表、EAD表が作成され、評価点が自動的に算出される仕組みとなっている。
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 応用地形判読士の試験が近づいていますが、鈴木隆介先生も開発に多大な協力をしておられる読図システムです。よくありがちなのは、既存資料をコンパイルして災害に関わる要素がいくつ重なっているかというシステムですが、これだと既存資料が間違っていた場合、あるいは精度が足りなかった場合、それなりの答えが出てしまうことです。
 EADaS手法の良いところは、自分で考えながら評価が出来る点にあります。既存資料の完成度の問題は残っているとは思いますが、使用にあたっては専門的素養が必要であり、”誰でもできるデメリット”は解消されているでしょう。

2013年7月2日火曜日

地形災害の人為的側面

①天  災:構造物の有無とは無関係に、自然現象としての地形過程の必然的な結果
②未必災:①の生じる可能性のきわめて高い危険地に、知ってか知らすかは別にしても、そこに建設された受けた
③人  災:構造物を建設しなければ発生しなかった災害
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鈴木隆介先生は②は交通事故と同様に無理をしなければ避けられると述べられています。その例として急崖直下に立地する建物の落石・崩壊による災害をあげられていますが、腹付け盛土や谷埋め盛土も該当するでしょう。