2013年10月30日水曜日

関西大学文学部 地理学・地域環境学教室のHP

 しらない間に出身教室のHPがリニューアルされていました。すごく洗練されたHPに仕上がっていてびっくりしました。

 関西大学文学部 地理学・地域環境学教室
 http://www2.kansai-u.ac.jp/kugeoenv/index.html

 私がいたのは91~95年ですので、まだwebという概念も教室にはなく、史学・地理学科と称していたので完全に独立してはいませんでした。その後(特に2000年代に入り)、いろんな学部の名前にカタカナが増え、地理学教室も「地圏」とか「環境」とか「○○システム」などど名前を変えていきました。そのうち”地理学教室”はなくなるんではないかと話したこともありました
 昔から人文地理が多いので、卒論のタイトルや就職先をみても地質コンサル、建設コンサルに就職する人が少ないのも変わっていません。ただ、測量士補を取得できるようになりました。JABEEによる技術士補も取得する方向に行っているようです。発展を期待します。

2013年10月24日木曜日

深層崩壊という用語

 深層崩壊という用語が度々マスコミに登場し、その地形的予測に関する仕事も増えました。用語としては”はやっている”状態です。最近、千木良先生が「深層崩壊」という本も出版されました。
 さて、千木良先生が主体となって開催された京都大学防災研究所の特定研究集会「深層崩壊の実態、対応、予測」では”私見”として以下のように述べられています。

 http://www.slope.dpri.kyoto-u.ac.jp/symposium/DPRI_20120218proceedings.pdf
 深層崩壊という用語をきちんと定義しておくべきだ,という意見をしばしば耳にするが,以下に私見を述べる。深層崩壊の意味は,それと類似した用語である大規模崩壊や巨大崩壊の用語が意味するところを考えると理解しやすいと思う。後二者は,いわば平面的に見て規模(面積)が大きいことに注目したものである。おおよそ 10 万㎥以上の崩壊が大規模,100 万㎥以上が巨大,と言われているのが一般的であるように思えるが,これらは厳密に定義されたものではない。これらの用語に厳密な定義がないことは衆目の認めるところであろう。しかし,これらは「規模が大きく,移動速度が大きく,その被害も甚大である」ということを容易に想起させ,“便利な”用語であると言える。これは日本だけの事情ではなく,英語圏でも large  landslide,  gigantic  landslide はごく一般的に用いられている用語であるが,いずれも明確な定義はない。(途中略),「斜面表層の風化物や崩積土だけでなく,その下の岩盤をも含む崩壊で,地質構造に起因したもの」であることを特徴としている。深層崩壊を強いて定義するなら,こうなるであろう。

 鈴木隆介先生の地形図読図入門では、「基盤崩落」という用語で、大規模で急傾斜の谷壁斜面、谷頭斜面や尾根の一部が、地質的不連続面とはほとんど無関係なせん面を境に、急激に破壊し、径数百mの巨大岩塊を含む物質が一団をなして急速に滑落する現象

 と、移動プロセスを含め定義されています。
 個人的には「深層」という言葉が一般用語に近く、「基盤」という言葉が専門用語に近い印象は持っています。羽田野誠一さんは「地崩れ」と呼び、私の周りでは大規模崩壊と呼ぶ人が多いのもまた事実です。
 斜面の防災地形・地質にかかわる研究者・技術者が古くから悩み続けているテーマであり、ハード面でもソフト面でもこれといった対策もないように思います。ただ、最近になって急激に増えた印象をあたえる報道の仕方は?です。

2013年10月20日日曜日

応用地質学会

今年の応用地質学会は私の誕生日に開催されます。ポスターセッションのネタを2つもっていて、やっと目途がつきました。ほぼ10~20年に一度の豪雨で深層崩壊が発生しているという地形変化の激しい流域で、魚のうろこのような判読図を作成しました。地形に対応して岩盤の種類や災害形態、頻度を読みかえることができるようにデータベースを構築中です。