2012年5月29日火曜日

砂防学会(3)

最近は大規模な斜面変動が多発したためか、航空測量会社を中心にこぞって崩壊の調査報告がなされました。ここで気になるのは、「報告」であり「論旨」は見られないことです。幅や土砂量などの計測精度を競う域をでていません。地質は「地質図」どまりで、なぜその斜面に限って崩壊したのか、なぜとなりの斜面が崩壊しなかったのか、防災の根幹に関わる発表が少ない。それは、地すべり学会や応用地質学会のテリトリーだという意識があるのだとすればさびしい話です。

2012年5月27日日曜日

砂防学会(2)

私の発表に対して、東京農工大学の五味先生が大変興味を持ってくださいました。かなりの大慌てで作ったPPTだっただけに、お恥ずかしい限りなのですが、木片やテフラを使って地形発達史をもっと明らかにできないかとご意見を頂戴しました。先生のHPをみたところ、このところ砂防分野ではやっている数値計算というよりは、フィールドサイエンスとして多角的なご研究をされていることがわかり、勇気付けられました。

2012年5月24日木曜日

砂防学会(1)

高知で開かれている砂防学会に参加しました。何が驚いたかというと、概要集の分厚さ、3㎝を超え、いままので倍の分量です。ポスターセッションによる発表がとくに多く、二日に分けられるというあわただしさでした。
 特に昨年9月に発生した紀伊半島の土砂災害は、斜面崩壊のメカニズム、計測技術、避難体制のあり方など非常に多くの課題を突き付けましたので、研究テーマが多かったのでしょう。行政担当者の発表者もとても多く、いろんな意味で情報収集にきた人もおおかったように思います。すごい集客力です。
 意見交換会では円卓が並べられたガーデンパーティ形式でおしゃれだったのですが、そうなると一匹オオカミの私としては居場所がなく、他社の人たちとビール片手に質疑応答の続きをたのしんでおりました。

2012年5月21日月曜日

歩いてはまた見つけ、そしてまた、、、、

昨日も個人研究の現場にいっておりました。空中写真が撮影されていないので、崩壊地をさがすのはひたすら歩きになります。そしたら、テフラやスコリア、いわゆるkey bedをみつけたっ、と思ったら日没、、ただ河川を偏流させるほどの扇状地がどんなイベントで、何回のイベントでできたのか、今日の金環日食みたいにぼんやり見えてきました。

2012年5月20日日曜日

社内巡検

  今年はみんな忙しく、いつもは過ごしやすいGW前に企画していた社内巡検も来月になりました。津波堆積物の調査や谷埋め盛土の調査など、いろんな分野にまたがり盛りだくさんなのですが、いずれも今後の地域防災を考える上で喫緊の課題です。さらには災害発生の候補地は無限にあり、しかも”被災しやすい場所”の絞込みも、かなりの確率で知る事が出来る分野です。津波はてんでんこと言われるとおり逃げるしかないとおもうのですが、谷埋め盛土は対策工が可能だと思うのですが、いずれもある意味”境界分野”なので、担当がいないことが懸念材料でしょうか。

2012年5月17日木曜日

紀伊半島の土砂災害

今週は紀伊半島に出かけていました。整然とした植林の美しさのなか、大きくえぐられた山肌、道路脇の斜面は破砕されて緩んだ岩盤がむき出しになっており、いまだ復旧段階であることを改めて思いました。いつもは会社との連絡や情報を得たいので、多少現場から遠くてもインターネットの使えるホテルに泊まることも多いのですが、やはり地元の民宿に止まってお金を使うことが、私たちができる復興ですね。

2012年5月11日金曜日

旧河道

昨日は応用地形研究部会で、旧河道の地形分類について議論がありました。旧河道は、沖積低地の成り立ち、防災にあたって鍵となる地形で、河川堤防の弱点、破堤につながるポイント、液状化しやすい場所の抽出、湿地を住処とする比較的めぐまれた生態系の存在といった特徴が挙げられます。多摩川など、かつての船の渡し場は旧河道が収斂する、比較的河道の安定した場所が選ばれていたことなどを話しあいました。
  このようなことを明らかにしていくには、地形分類図を作成する必要があります。地道な作業です。アナログですが、いまあまり大学でも空中写真判読や地形分類図作成はもとより、尾根と水系を記入するといった、地形・地質を認識する上で基本的な作業もやってないのだそうです。このあたり、私たちの世代がリードしていくべきといったことも話し合いました。

2012年5月8日火曜日

独立開業有望資格

Googleアラートで、「独立開業有望資格」の第2位に技術士が上がっているとの記事がありました。
http://16611.webspace.ne.jp/rental/img_bbs2/bbs.php?pid=16611&mode=pr&parent_id=30720&mode2=tree

 掲示版に書かれている意見は、「ホンマかいな」というものから、社会のニーズ、シーズを捉えて営業・経営展開すれば道は拓けますし、技術士が有する論理的課題解決能力は、有用な資質だと思います。アンテナを広げて情報や社会の流れ・方向性を的確に把握し行動すれば、サラリーマンとして働くより独立したほうがずっと稼げるし、やりがいと充実と楽しさを感じます」といった意見まで様々です。
 私がwebやSNSなどを通じて意見・情報交換をさせていただいている方は、後者の方が多く、社会貢献されています。私も早くそうなりたいと思う方ですが、資格をもってなくても独立して活躍されている方も多いので、”独立有望”かといわれると微妙です。

2012年5月7日月曜日

GW悲喜こもごも

 つい先だって爆弾低気圧なんて言葉が踊ったと思ったら、晴れの特異日さえあるGWは大嵐、竜巻は吹くし、地震は起こるし、、、路肩や民家裏のがけ崩れなど、まるで6月の梅雨のような荒れ方でした。ただ、こどもの日は久しぶりに五月晴れ、湘南海岸に出かけてきました。
 永久に続く波は浜辺に五線紙を描き、、、というにはちょっと激しい波でしたが、、、彼方に見える烏帽子岩は関東大震災の、、、という解説はやはり野暮で、完璧な青空でした。

2012年5月5日土曜日

砂地獄

1707年富士山の宝永噴火によってもたらされたスコリアです。地表下70センチ程度のところに露出していました。まあ、歩きにくいこと、、、長靴の上からざくざく砂が入ってくるし、、あり地獄にでもはまったかのように前に進めませんでした。江戸では4センチの荒廃があったとのこと。砂地獄という小説もありますが、まさにもがいておりました。

2012年5月4日金曜日

数分間の幸せ 倚りかからず

自分のFace bookからですが、「数分間の幸せでいたいなら詩を読みなさい」ということで、「茨木のり子詩集」を買いました。「倚りかからず」という詩は好きな詩です。
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/essay/Ibaragi.htm

また、今日現場をあるいてこんなことを感じました

山の自然な営みとしては、斜面に依りかからず流れ去り平野に土砂を運ぶことなんですが、なんらかの都合で依りかかっている斜面を、「地すべり」って呼んでいるのか

2012年5月3日木曜日

極端気象という言葉

日本地球惑星科学連合と砂防学会の日程が重なっています。重なっているのは「極端気象」という言葉もありました。ただし、両学会でニュアンスが違うような気がします。いわゆる”地惑”では、「日本の首都圏で日最高気温40.9℃を記録した極端な猛暑の形成メカニズム」といった題目に代表されるように”本当の極値”あるいは”局地” を科学的に分析された発表なのですが(むしろそれが当然)、もう一方は、なんとか事業を続けたい、、そこまでしなくても侵食ー堆積がおこる作用として普通なのだから、もう少し冷静になってもいいと思うのですが、、