2013年2月24日日曜日

仕事の量と種類

 久しぶりのブログ更新です。まあ忙しくて寝る(ブロクの文章を練る)ヒマもありません。仕事の量は沢山あるのですが、種類は意外とすくない。深層崩壊と道路・鉄道防災です。
 学生のこらから斜面地形を少々かじっておりましたので、深層崩壊や地すべりといった地形発達史的背景を考えながらの業務は楽しいといえば楽しいのですが、最近どうも様子が違ってきています。マニュアル化の動きがあるのです。GISや自動抽出という言葉が使われだすと、たいがい地形発達史は影が薄くなっていきます。定量的解析と定性的解釈の相克です。
 道路や鉄道関係は、航空レーザー計測図をもっと使えばよいのです。昭和時代に作成された”台帳”の地形図は災害要因の分布域までカバーできておらず古い情報なのですが、なぜかそれが基図にされることが多いのです。確かに航空レーザー計測図は引き出すことのできる情報が無尽蔵にあるので作業が大変ですが、それを手作業で地道にやるべきです。

2013年2月6日水曜日

「聞いた事がない」けど繰り返されている 

 私も投稿した砂防学会誌65巻5号に、

多田泰之・大丸裕武・三森利昭;古今近畿水害の特徴とその差異

という興味深い記事がありました。
被災地域の齢80をこれる老人が「このような災害は聞いたことが無い」というセリフは、古文書にも繰り返し書かれているし、現代の災害でも頻繁に聞くのですが、丹念に調べると過去に何度も同じ地域で発生している。
この事実は、1)災害の生じやすい場所はある程度決まっている、2)甚大な水害の発生周期は人間の寿命を超えている、3)一生に一度あるかないかの災害時に避難等で適切な判断を下すのは非常に難しい
  人生のベテランでも災害のベテランにはなりえない。地形発達史的背景、地質的背景の視点もつと、人間が災害と呼んでいる現象が自然にとっては日常の仕事であることわかります。問題は、東日本大震災ほどのことがあっても、なかなか地学教育が盛り上がらんことです。”就職によいから”いう軽いモチベーションで"理系人気”といわれていますが、”理科離れ”とは違うものです。

2013年2月3日日曜日

深層崩壊地下水から予測 渓流の電気伝導度から危険箇所絞る

http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20130201ddlk40040391000c.html
ECは岩石から溶け出すイオンの量を示し、ECが高ければ地下水の割合が高いことになる。渓流のECを測定すれば、湧水(ゆうすい)地点の特定につながり、斜面ごとの危険度判定に生かせる。実際、05年に深層崩壊が起きた宮崎県・鰐塚山(わにつかやま)の渓流で測定したところ、ECの高低と崩壊場所が符合。地形や地質の調査と合わせれば、さらに精度が高まるという。
ECの有効性に気づいたのは出水市で学生らと調査活動していた時のこと。「学生が休憩中、暇つぶしに何カ所か測ったら全く違う数値が出た。なんでなんで、となった」。地すべりが発生した後、現場で地下水の状況を調べることは一般的だが、深層崩壊の事前の予測に利用する発想はそれまでなかった。
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地下水とその圧力を見える化するという意味で興味深いと思います。小渓流、ガリーレベルでの検証は難しいかも知れませんが、航空レーザー測量による高精度地形図を用いた微地形分類図と地質踏査など、地道な調査を重ねていけば、良い結果がでるかもしれません。

2013年2月1日金曜日

Simple is

砂防学会誌の技術ノートを投稿しました。

http://www.jsece.or.jp/indexj.html
Proposition of simple cone-penetration test measurement and slope conservation countermeasures

-A case study of debris disaster caused by heavy rain in North Kanagawa, September 2010-
About 90%or more of the slope disasters occur as surface collapses. As a case study,we report debris disaster coused by heavy rain in Nothern Kanagawa, September 2010. This report proposes Handy type method of Soil slide survey and countermeasure without removing vegetations

図表タイトルも英文キャプションがついていますが、Simpleばっかりです。確かにこれで崩壊深と土質強度と対策ができるのですから便利なものです。