2012年9月19日水曜日

兵庫県内陸部の豪雨災害

 何度も言いますが大災害が最近多すぎて、それに関わる仕事ばかりです。今度は兵庫県内陸部の豪雨災害調査です。3年前に佐用町(宍粟市、それにしても市町村合併というものは、、、)で豪雨があり、崩壊や流木が多発しました。昭和51年には、「抜山」という、いかにもな地名の山が地すべりを起こしたあたりです。その地すべりの仮定がリアルタイムで記録されている貴重な事例でもあります。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jls1964/13/3/13_3_plate1/_pdf

2012年9月18日火曜日

日本の自然放射線量

 放射線といえば”人為的にもたらされるもの”というイメージが定着している感がありますが、「われわれの身の回りにはもともと宇宙線や大地、建物、食品などに由来する放射線があり、この値が異常であるかどうかは自然状態の放射線量と比較して初めて知ることができる。このような自然放射線量は場所によって大きく異なって」います(地質学会HPより)。異常を知るためには正常がわからなければなりません(これは地すべり、崩壊、土石流といった地形災害も同様です)。
 地質学会では地学教育も話題になったようですが、このあたりはどのように教えていくのでしょうか。 http://www.geosociety.jp/hazard/content0058.html 

2012年9月17日月曜日

お手本を真似ぶ地学教育

 地質学会の大阪大会では「新学習指導要領で地学教育はどう変わるか」というセッションがあったようです。地質学会には参加もしていないし、新学習指導要領も見ていませんが、わたしはお習字のように「お手本を真似ぶ(学ぶ)」ことが必要ではないかと考えています。地学は地質図、地形分類図のように、「図学」の側面を強く、そこからいろんなことを考えるからです(数値計算の前に定性的なモデリングの訓練を)。こういった芸能的な部分もあり、天文学、海洋学のような最先端の科学技術まで必要な、とても幅広い分野です。

2012年9月16日日曜日

山さけて 成しける池の ”水澄まし”

 これは「災害は忘れたころにやってくる」で有名な寺田寅彦の句です。神奈川県秦野市には1923年の関東大震災によって形成された天然ダムです。今日の神奈川新聞に掲載されていました。国立極地研究所名誉教授の神沼克伊(かつだだ)さんは、この「震生湖」を通じて、自然科学と防災教育の重要性を主張されています。
 ただし、重要なことは自然科学と防災教育をうまく連携させることです。最近は”土砂ダム”ができた、それ避難”と対応が画一的です。それは、湖が決壊して大被害になったらどうするのだという発想でしょう。しかし、関東大震災から89年経ついまでも釣りの名所となっており、”水澄まし”ということは、決壊の恐れがないということです。むしろ、地震が憩いの場を勝手に造ってくれた、恩恵のほうが大きいのです。

2012年9月15日土曜日

津波恐怖症?

 私は神奈川新聞を購読しているのですが、津波の話題がよく掲載されています。今日も海辺にある中学校のPTAが、高台への移転要望書を提出したとの記事がありました。また、昨日は、ある海辺の道路のマラソン大会が、津波の際に避難地が確保できないとして、大会を中止するという記事もありました。
 しかし、海はそこまでして恐れなければいけないものでしょうか。中学校の移転はまだ理解できますが、マラソン大会の中止はいかがなものでしょうか。普段の交通量の多い道、すなわち流通経済活動が活発な道です。マラソン大会を行っている数時間のうちに、超偶然に津波に襲われる確率
を考えたら、、、海辺の道は全て廃道にしなければいかんでしょう。
 経験したことのない豪雨、こんなの初めて、、など、豪雨災害にたいする"ある種のイメージ”、過剰で正しくない恐れ方とでも言おうか、30mの津波、30万人以上の犠牲者、、、強烈な数字が一人歩きし、また妙なイメージを生みます。
 地形図の読図や空中写真判読、地図をもった街歩き、文字どおり地道な活動が、災害に対する想像力、土地の履歴の理解につながります。津波を恐れるあまり、潮騒や夕焼けといった、海の持つ日常的な美しさに対する感謝、感性まで流されたくないものです。

2012年9月14日金曜日

災害が通常になる、、?

 たまに人生を振り返るとき(って大げさな)、例えば阪神・淡路大震災の発生した年に社会人になったのですが、それがなかったら道路防災点検など、予防的業務を通常業務としてやっていたのだろうか、、、90年代とくらべ公共事業削減論が高らかになりましたので、あまり忙しくなかったかも、、、とはいえこうも災害が続くとそれが通常みたいになっています。

2012年9月13日木曜日

残った松は1本 - 広葉樹のほうが強い

 奇跡の一本松がモニュメントとして残されるそうです。それはそれでかまいませんが、一本であったという冷厳な事実があります。広葉樹の威風堂々さを、も一度掲載しておきます

 http://design-with-nature-simogawa.blogspot.jp/2011/12/blog-post_04.html

2012年9月12日水曜日

防災格言

噴火というものは、風上と風下とでは、まさに天国と地獄の差がある
生れて初めて空からバラバラと降ってくる火山礫を見たとき、私たちはみんな外に飛び出して、ワイワイいいながらわれ先に珍しい火山礫を拾った。しかし、間もなく歓声は、悲鳴に変わっていった。降灰礫はさらにどんどん続いた。そして雨になった。雨混じりの火山灰は、空から生コンが降ってくるようなものだった。車という車は、みんなフロントガラスをやられ使えなくなっていた。
それにしても、除灰とは除雪の何倍も困難なものである。大体、重量が違うし、ドロドロで雪のようにあっさりしていない。それでも日ごろ除雪の経験体制があったから迅速な除灰も可能なのだった。それにしても、八日、一晩中は住民は生きた気もしなかったろう。バラバラとしじゅう火山礫が降りつづき、中には屋根を貫通してくるものもある。私たちは、避難命令を出すにも出せない。道路が通れなかったからだ。』

2012年9月11日火曜日

震災から1年半、水害から1年、、、そして

 最近TVでよく聞く言葉です。東日本大震災、紀伊半島大水害から年単位の月日がながれましたが、いまだ行方の分からない方が多くいらっしゃる、心の痛む大災害の年でした。
 東日本大震災は、その規模が大きすぎて歴史上殆ど初めてのことが多かったともいえますが、津波の伝承は3世代前にはあったし、紀伊半島の水害については明治22年の十津川災害の記録も多かったし、昭和28年有田川災害もありました。「経験のない豪雨」では決っしてなかったのです。でも、相変わらず崩壊跡地(抜け殻)への対策が進んでいきます。九州の豪雨災害でも、平成2年に土石流の発生した沢は比較的被害が少なく、未対策の渓流(土砂がたまっていた渓流)で被害が大きかった、当然ともいえる結果でした。

2012年9月9日日曜日

地学基礎の教科書

 ネットのつながらない山奥の現場に行っていましたので、久しぶりのブログ更新です。ツイッターなどの情報を見ていたら、数研出版の「地学基礎」が詳細で好評のようです。
 http://www.chart.co.jp/goods/kyokasho/24kyokasho/rika/chigaku/02/index04.html

 私も高校時代は、同じ数研出版の地学の教科書を使っていました。今の時代、赤色立体地図も使えるようになっており、とても理解しやすい内容になっています。特に赤色立体地図は、なぜその地形ができたのかひと目で把握しやすいので、地学を考えるヒントが満載、とっつきやすいとおもいます。もう一度、高校生に帰りたい気分です。