2010年7月14日水曜日

北九州の崩災

 表層崩壊に関する文献を探すと、よく引用されている研究があります。そのうち、竹下敬司氏による一連の研究は(地形的災害と斜面の微地形に関する森林立地学的研究,1961,福岡県林業試験場時報№13など)、昭和28年豪雨による崩壊の先駆的な研究となっています。長崎や神戸に比べるとやや印象が薄いかも知れませんが、北九州市も斜面都市です。
 いまは、大学の学術情報リポリジトリによってPDFで文献が読む事が出来ますが、北九州市の斜面災害の研究として九州工業大学の研究がありました。

 山本 敬・牛島和子(1975):北九州市域における「昭和47年7月豪雨」被害と地質との関連について,九州工業大学研究報告(工学),№31,p1~7
 http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/70186/1/a21b1p26.pdf

 これによると、昭和47年豪雨による崩壊は、山麓堆積物(麓屑面?)、変質をうけた火山砕屑岩類、マサ(風化花崗岩)が主であるとされています。山麓部には例外なく比較的厚い山麓堆積物が載っていると述べられています。釜井先生のいう”尋常ではない斜面”に近いかも知れません。

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