2012年1月26日木曜日

バァーチャルなもの

今岡さんのブログに掲載されていた資料に、ネットはバーチャルではないという指摘がありました。30代以上は、Webをバーチャルと呼んでしまう世代とのこと。確かに私なんかは多感な高校・大学生のときに、携帯もインターネットも全然普及していませんでしたから、ある意味"違う世界”の感覚はもっていました。別の顔を作ってしまえるという衝撃もあります。
 この感覚の原因をもう少し考えてみると、基本的にパソコン主導の機能であることにあると思います。シミュレーション(ある現象を模擬的に現出すること。現実に想定される条件を取り入れて、実際に近い状況をつくり出すこと。模擬実験)がPCの台頭によって身近になり、数値化することによって体を張って答えを探求するよりは一見正確でスマート(にみえる)ことになりました。ですから、PCで行う作業と体を張る(自分で考える)作業に一線を引きたいという心理ができ、Webもその抵抗感をもって迎えられたという一面もあったのでしょう。
 ただ、斜面や土石流の動きなどは、現実の描写、観察される歴史など、定性的な作業をこつこつと積み上げていく他はなく、バーチャルな計算結果が一人歩きすることは防災をミスリードしかねないとおもっています。

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