2011年10月7日金曜日

「安全です」といえるか

 宅地周辺の斜面調査を依頼された方へ送付した報告書に対して、不動産業者の方がこういったそうです。周辺のクラックや地盤の沈下傾向、斜面の円弧状の段差等からみて、これはもう腹付け盛土の変状が出始めていると判断しました。要は地形・地質、地盤工学的にみて、客観的な報告書を作成したのですが、、、
 相手方は「安全と言っておいて災害が発生したときの責任を回避する」というバイアスがあると思っているのかは邪推かもしれませんが、売り手のほうは、調査会社が言うほど危険はないと言ったニュアンスのことを言っているようです。
 
 調査の規模は違いますが、地質リスク学会では、「適正な」地質調査によって過大設計の回避、建設事業におけるコスト縮減を目指しています。これまでは、業務を獲得するために、あるいは調査のための調査をやっていたように思います。
 私がこれまで多く携わってきた渓流調査でも「この渓流は土石流の発生する危険性はとても低いですよ」というほうが「危険です」と説明する方が苦労が多かったことを思い出しました。

0 件のコメント:

コメントを投稿