2010年11月14日日曜日

電子地図は何を便利にしたか

 このほど新語・流行語大賞候補なるものが出てきまして、いわゆる”ネット用語”も多くノミネートされていました。丁度10年前の対象が『IT革命』でしたが、例のビデオ公開のニュースなど見ていると、ここに来てやっとその威力を見せ付けられたような気がします。その10年前から電子地図の整備が加速しました。レーザー計測技術も登場し、ものすごく高精度・大容量のデータが得られるようになりました。
 しかし、そのツールでしかないはずの電子化に、本来定性的で個性的であるはずの「調査」が飲み込まれてしまいました。地すべりの兆候など調べたいと思っても、電子地図がまだできていませんから、あるいはデータ構造に不備がみつかり、、といった理由で仕事がはじめられないという事態がこのところ頻発しています。
 昔は、精度は低くても平面図さえあれば、あるいはなくても自分の足でルートマップを作りながら踏査をしたものでした。そういった職人技も、いつのまにか飲み込まれてしまいました。
 確かに、3次元安定解析に必要な座標データの取得、横断図、縦断図の作成、修正は圧倒的に便利になりました。しかし、紙に書く(描く)ことや観察することは、電源を入れてデータ解析することとは同じではありません。そこを仕分けないと、地図がますます不便になるような気がしてなりません。

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