2010年9月3日金曜日

全てに勝る地表・地質踏査

  しかし、いかなる場合にも、われわれ地質家による踏査、俗にいいます、ハンマーとクリノメーターによる地表地質踏査というものが、直接的なデータとして、第一級の地質調査資料として尊重されているのではないかと思います。
 地表地質調査というものは、地質家(ジォロジスト)が、野外を歩きながら、その身につけた地質学上の知識に従って、岩石を分類して、地図に色分けをして塗るわけでございますが、そういうものは、けっきょく地質学上の基本に関する知識によってつくられていくわけです。基本原理は、教科書に、どんな本にも載っておりますが、地層累重の法則、堆積の初期水平性の法則、あるいは初期連続性の法則、侵食あるいは変位による地層切断の法則といわれた、四つの原理にかなった内容の地質調査をしておるわけでございます。
 そういうことで、地質平面図とともに、地質家が土木の方に提供しうる最大の資料というものは、地質断面図ということになります.掘るにしろ、その上に何かつくるにしろ、まず平らなところを見て、その下がどうなっておるかということを、図にかいて差し上げられるのは、地質家以外にないわけでございます。そういうわけですから、土木技術者にとって、地質断面図は、いろんな情報の集約されたものとして重要視する成果となる。重要視する成果となると私申しましたが、成果であるから、理解して重要視してほしいというのか私の本音でございます。

このコメントをされた松井先生は、新人のころにほんの少しお会いした事があります。当時古希を迎えられ、悠々自適の生活に入られました。とても紳士的な方だなあという印象でしたが、この格調高い言葉からも改めてそう思います。

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