2014年7月19日土曜日

地形判読のメリット - 海成段丘問題 応用地形判読士雑感(4)

 まず「海岸段丘」という設問文は「海成段丘」とした方がよいでしょう。
 地形工学の視点から言えば、(海成にかぎらず河成も)段丘面の問題は開析過程にあることが多い。開析過程が谷による線的侵食だけでなく、地すべりであることも少なくなく、“紛らわしい地形の判読”のための総合的知識・技量を問うこともできる(しかしこれは高度な技術であるので、段丘と地すべりが近接する地域の地形判読は私にとっても難しい)。
 断面を書いていいということにもなっていますが、海成段丘で思うのは「吉川・貝塚・太田先生の土佐湾論文」がシンプルでわかりやすく、基本はそのころから変わっていないのかなとうことです。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/grj1925/37/12/37_12_627/_pdf

 地形図の読図によって真の旧汀線高度が直接求められない理由として、段丘面がローム層や、背面段丘崖の崩落堆などの被覆層により、地表面に露出していないこと、開析によって段丘面が消失していることや、段丘面の傾動や撓曲により変形し、段丘が緩傾斜面になっていることなどが理由としてあげられる。

 ということになろうと思いますが、こういう地形が先に述べてたように、堆積面の地形分類では一番難しい。ただ、段丘崖が地すべりで開析されることも多いだけに、段丘面でも「緩斜面」があった場合、きちんと判読しないと適正な土地利用・防災計画につながらい可能性があります。

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