2011年5月11日水曜日

あらためて防災の難しさを思う

 東海地震は地震発生確率が突出して高い。これが浜岡原子力発電所の運転を停止する直接的な理由でした。確かにそれはそのとおりです。一方で、1995年の阪神・淡路大震災以降、いわゆる”目立たないリニアメント”を震源とする内陸直下型地震が多発しました。私は、逆に”シャープで目立つ活断層地形”を判読し、中~大縮尺の地形図に表現するという仕事をしていたので、”ええっ!!そこか”という思いを繰り返してきました。そして、プレート境界の巨大地震としては、「東海・東南海・南海」の連動に注目してきました。そしたら、連動した巨大地震として「東北地方太平洋沖」が発生しました。地形・地質、地震、防災に関わる専門家でも”ええっ、そっちかいな”と思った人は少なくなかったのではないでしょうか。
 そういえば、会社の上司が、いわき市の内陸地震の断層及び斜面崩壊の災害調査に行ってきました。そのうちの湯ノ山断層は、東京電力の調査で、最終間氷期以降の地層が変位していないし、破砕帯も固結しているとして、安全側に評価していました。それは地質学的には妥当な解釈ですが、今回の地震で正断層としての変位地形が、かなり明瞭に露出していたのだそうです。
 活断層というのは、結果としての存在、すなわち上部地殻のストレスの通り道・はけ口となった結果として形成される。そして、その根本はプレートの運動ですから、刻々と変わる状況を見極めながら、三次元的なものの考え方をしなければいけないということがわかってきました。”とりあえず30年以内に○%”という視点じゃあ、自然の都合にあわないよ、、と太平洋プレートからの警告だったのでしょうか。
 http://www.nsc.go.jp/shinsa/shidai/touden_fukushima/3/siryo3.pdf 

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