2013年6月2日日曜日

「論文」と「報告」

 木村 学(2013):『地質学の自然観』,東京大学出版会 を読んでみました。私が学生だったころは、もうプレートテクトニクス理論がある程度定着していましたので、地球科学のパラダイムがドラスッティックに動いていた時期、大論争期を知りません。この本を読んで、そのころの熱が伝わってきました(会話調でよみやすい)

 さて、最後に「これから論文を書こうとする若い読者のために」という”付録”があります。そのなかで、日本の論文と海外の論文ではタイトルのつけ方が違うという指摘がありました。日本の地質学雑誌では「○○地域の、、、」「○○の発見、、、」「○○の研究」というタイトルが多いが、海外ではこのような言葉を省いた、一般的な事項で中身をストレートに反映した言葉が書かれているということなのです。私の師匠は、君の論文は報告の域を出ていないという言葉をよく使われましたが、にたような意味かも知れません。そういえば地理学でも「○○地域の、、、」で始まる論文がとても多いですね。

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