2013年5月29日水曜日

崩壊地のもつ土木工学的問題点

 今村遼平(2013):『地形工学入門』のなかに、崩壊地やそこから供給された崩積土の持つ建設計画上の着眼点として、

 既存崩壊地の分布状況は、将来の崩壊発生を考えるうえでの目安となる

 と述べられています。ここでいう”目安”とは、それ以上でも以下でもないと思うのですが、実際は崩壊跡地から算出された土砂量、崩壊地の手厚い斜面保護が”基準、指標”になっています。航空レーザー計測図を見ると、遠景では気がつかないがそろそろ崩壊予備物質がたまり始めた集水凹地があったり、微妙にコンターの乱れた斜面が危ないのですが、なかなか注目されません。
 表層崩壊ならまだしも”深層崩壊跡地””実績”といった、およそ安定した斜面をさがすことに躍起になる傾向があるのですが、やはり"目安”であって、夢中になってさがす程のことはないんだと思います。

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