2012年12月9日日曜日

見よう見まねの手描き

 建築家の下山先生のブログに、笹子トンネル事故の感想が述べられていました。

http://blog.goo.ne.jp/gooogami/e/868b80d3b1b3fd4bec7aed547e73a35e
人びとの持つ感性を信じること、人びとの感性を埋没させるような動きから撤退すること、そして、多くの実体験の機会に恵まれるようにすること、ではないかと思っています。たとえば、建築の仕事の場合で言えば、ソフトに頼らないこと!先ず手仕事:手描き、見よう見まねの手描き、次いで習熟したらソフト、この手順が必要なのではないでしょうか。何のことはない、これは、はるか昔、ものごとの修得について、世阿弥が語っている要諦です。

 私は、まず地形分類図のトレースから仕事を始めました。地表・地質踏査の経験が決定的に少ないのが弱点なんですが、地形発達史的背景とか斉一観など、おぼろげながらも持っているのは、先人達がどのように地形を見て図面を描いたかというところに考えをめぐらすことが出来たからです。後氷期開析前線や地すべり地形の階層性の理解などは、羽田野誠一さんの図面の見よう見まねの手描きからはじめたのです。

 http://www.kokon.co.jp/h1406.htm

 いわゆる”五感”に基づく判断というものは、数値化できませんが非常に信頼できると思います。笹子トンネルで取りざたされた”打音検査”ですが、これだってとてもシンプルな方法ですが、数値化する手法ではありません。計算で設計し、感性で点検する?なんだか妙な話ではあります。

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