2011年6月4日土曜日

日本三景のうち2つは地震による地すべりが原因だった?

 先日大阪に出張した際、出張先の会社の人が丹後半島の地すべり地帯にいかにも飛んで行きそうなアンカーがあって、それを見に行くんだという話をしました。それをきいて、丹後半島&地すべりという条件でグーグル検索してみたところ、京都府埋蔵文化財センターの報告書で、日本三景のひとつである天橋立は、直下型地震による地すべりによって大量の土砂が供給されてことが、地形形成の主要因であると述べられていました。

天橋立の成立過程
http://www.kyotofu-maibun.or.jp/data/kankou/kankou-pdf/ronsyuu6/36arii.pdf

これまので定説として、河川の沖積作用と沿岸流の相互作用が述べられていました。でも改めて地形図を見るとなるほど、断層地形の抜け跡の地形も存在します。そして、この論文を読んで直ぐに思い出したのが、香川大学の長谷川先生の「日本三景の松島は巨大地すべりだった」という発表です。

http://blog.livedoor.jp/ohta_geo/archives/51391700.html

さきの天橋立の論文でも、中越地震や岩手・宮城県内陸地震など、直下型地震によって天然ダムを発生させる大規模地すべりの事例を上げ、天橋立の成立過程を地震に伴う地すべりに求めることは不自然ではないと述べられています。

それにしても、日本を代表する景観が地震と地すべりによって形成されているとなると、自然がもたらす災害と恩恵が表裏一体であることを、改めて実感します。

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