人を素直に褒めたり、自然を愛でるための言葉をさがすのは、意外に難しいことです。詩人の茨木のり子さんは生前よくそのように語られていたと聞きます。
そんななか、今岡さんのブログに素敵過ぎる言葉がありました。
道徳の教科書に載せたいような話です。
働く僕らは美しいのだ
http://syunanleo.dtiblog.com/blog-entry-331.html#comments
そんな中でこのように対応いただくと、嬉しいというより胸が熱くなります。 手紙には、こう記されていました。
「…しっかり足固めした颯爽とした測量服に身を固めて測量棒を持って歩いておられるお姿を拝見いたしておりますと仕事に自信を持って働く美しさが溢れていて、やがて八十五才になろうかとする老人には、とても羨ましくさえ思われました。…」
”胸が熱くなる”で思い出しましたが、私は一昨年結婚式の最後の新郎スピーチで、吉野弘さんの祝婚歌を朗読したのですが、その一節を思い出しました。その後半部を紹介します。
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には色目を使わず
ゆったり ゆたかに光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そしてなぜ胸が熱くなるのか
黙っていても二人にはわかるのであってほしい
今岡さんに手紙を送られた方は、まさにこの詩のとおりの人生を85年間送られてきたのだろうと思います。
日本には、美しい言葉や旋律がもっともっとたくさんあるはずです。日本列島をはぐぐむ森と岩清水のようにあるはずなんです。そして、地質学を基本とした仕事は、本当はその美しさの玄関口に立つ機会が多いはずなんです。理科離れや公共事業のあり方を嘆くより、清風洗心、このような言葉をいただけるようになりたいものです。
2010年6月12日土曜日
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