今日は第四紀学会のポスターサロンに行ってきました。ジオパーク花盛りといった感じですね。専門分野のアウトリーチが大きなうねりとなっていることを感じました。なんとか、地形学、地質学、第四紀学を一般社会に認知してもらいたい、そんな情熱が会場からほとばしっておりました。
そんななか、深田地質研究所の女性の方が、ファーストジオロジー(地質学を知るきっかけ)の発表で、アンモナイト・アクセサリーというものを展示されていました。化石はファーストジオロジーで最もよくあるケースのひとつですが、こうして”かわいい”という形容詞を付け加えることで、一気に地質学が身近になります。特に女の子とそのお母様方に大好評だったと聞きました。ある意味、女性ならではの感受性かもしれませんが、私の目から大きな鱗が落ちました。私は地すべりの地形発達史を示した論文の図を作成したとき親しみやすくしたつもりでしたが
アクセサリーとして実際手に取ることができる親しみやすさには到底かないません。
このように、一般の方や子供たちに地質の専門家の存在を示すという意味では盛況だったと思います。ただ、子供たちはその特権として、限りない未来があります。このような機会をきっかけに、ジオを目指してくれる子供たちはどれくらいいるでしょうか。現実に目を向けると、高校で地学が履修できないことが多いので、その時点で忘れる人も多いと思うのです。
学会発表をする方々は、地学で飯を食っている人です。自分が地学の専門家になっていることの誇りとそれを続けられる意気込みが湯水のごとく出ていると思うのです。では、なぜ地学の専門家であることが誇らしいのか、続けられるのか、楽しいのか、今後どうありたいと思っているか、プロになろうと思ったきっかけ、プロで食っていけると自信を持ったきっかけなど、もう少し大人の話題を繰り広げてほしいのです。大人が夢を語らなければ、子供たちもピンとこないのではないでしょうか。
私はというと、まず地形・地質を理解しなければ、私たちの暮らし・取り巻く環境が理解できないのではないかという思いがあり、調査結果を地図とスケッチにまとめ”見える化する”という作業がとても楽しかった。子供のころから絵が好き、自然描写あふれる詩が好きというものが根底にあったからでしょうけど。そして、大学の一般教養の時間に「水害地形分類図」や「土砂災害危険度マップ」というものがあって、それを作成する職業・会社がある、すなわち飯が食えることを知りました。地すべり、活断層、扇状地、、そういった既存資料の枠組みにとらわれず空中写真と地形図と目と足をフルに使って得た情報を描く、、こりゃあ楽しい。そして、これをもとに砂防計画や道路防災計画など、社会インフラ基盤を支えて行くための調査に携わることができたし、楽しんでいる上司や先輩がいる。だからこそ、今でも続けています。こういう思いをみんなで語りあえば、楽しいはずだし、肩肘張らないアウトリーチの機会にもなると思うのですが、、
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