東大地震研究所の大木先生が興味深い講演をされていました
科学は「解明途上」周知を
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/accident/520593/
そもそも科学・技術に関する学問は、仮説を立て実験などで検証することで事実を積み上げていく。でも、地震学では実験ができない。シミュレーションで何通りもの予測を立てたとしても、本物の地震が起きないと証明すらできない。しかも大きな地震ほど頻度が少なく、ときには数万年に1度という低頻度になるという問題を常にはらんでいる。これまでの地震の科学は、あまりにも物理や数学に偏っていた。あるいはスーパーコンピューターに頼っていた。地震学の知見を本当に防災に生かすのであれば、古代の地震を記録した古文書を分析する歴史学や、大地に残された歴史を調査している地質学との連携を進めるべきだった。
これは、シミュレーションで何通りもの予測を立てたとしても、、、の部分は、いわゆる”深層崩壊”にも当てはまります(私は、深層崩壊という言葉がいまひとつしっくりきていない、鈴木先生の言葉を借りると形態用語的です)。七面山崩壊は安政東海地震で発生したと考えられていたのが、古文書の精査で少なくとも鎌倉時代には、大規模な崩壊地として存在していたことが解明されました。
下山先生の見解にもあるように、科学的であることは定量的であることを意味しないということでしょうか。防災とはもとより学際的な分野ですから、定性的な知見も重視されるべきでしょう。
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