このところ水俣病に関するニュースが多く報道されています。上の画像は、水俣病の記録をつづり、美しい文学として表現された、石牟礼道子さんの著作のブックカバーです。苦海浄土は中学生、高校生のときに何回か読みましたが、最新版とはブックカバーのデザインは違っていました。
このブックカバーに象徴されるように、石牟礼さんの文章の詩情、いまでは景観という言葉であらわされる傾向にあるなか、まさに”情景”という言葉が当てはまります。解説の渡部京二さんは、 海底地形の描写の美しさとその感性の豊かさについて紹介しておられます。
----------------------------------------------------------------------
海のなかにも名所のあっとばい。「茶碗が鼻」に「はだか瀬」に「くろの瀬戸」「ししの島」
海の底の景色も陸の上とおんなじに、春も秋も夏も冬もあっとばい。
----------------------------------------------------------------------
海底扇状地、ノッチ、ベンチ、など地形学的分類や、元禄の津波堆積物など地質学的な分類を行ったことはありましたが、海の中まで感情移入して描写しようという考えは及びませんでした。苦海浄土。。。この描写力で、水俣病の実態が描かれています。鬼気迫るとかいった言葉では言い尽くせません。石牟礼さんの文学は、このあとなんどか紹介することとします。
2010年7月16日金曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿