2010年6月6日日曜日

住宅地盤の応用地質学的調査

  今日は住宅地盤が地すべりによって被災した現場の巡検に行ってきました。神奈川県の三浦半島には膨張性の蛇紋岩からなる地すべり地帯があり、さらにそれより強度の劣る盛土地盤の上に住宅がありますので、とても不安定な宅地地盤です(その分風光明媚ですが)。
  現在標準的に行われている宅地の地盤調査は、スウェーデン式サウンディング試験です。直径33㎜、長さ200㎜の固定式スクリューポイントを、まず100kgの重さで地中に自由沈下させ、沈下停止後に人力による回転力により貫入する。そして、ハンドルでスクリューを回転させ、1mあたり貫入するのに必要な回転数を求め、さらにこれを2倍して半回転数を求めて地盤の支持力やしまり具合を判定する試験です。
  住宅の地盤の調査といえば、京都大学防災研究所の千木良先生の論文は、興味深いものでした。未風化な還元状態にある泥岩やその盛土の上に建設された建築物の地盤が、建設後数か月から数年経過して膨脹する盤膨れ現象について、 岩石の鉱物, 化学分析と微生物に着目した分析をされました。盤膨れは岩石中の黄鉄鉱が酸化して硫酸を生成し、方解石を溶解 硫酸イオン, カルシウムイオンが生じ、 それらが 地中水とともに乾燥した床下に移動し、床下で石膏の結晶として析出しその結晶圧で盤膨れが生じ、この反応には鉄酸化細菌が関与していることが推定されたとのことです。
  土地や家を買うときに、ここまで化学的な分析をすることはないと思いますが、家屋だけではなく地盤も時間ともに風化すること、その成り立ちの原因を探り、将来どうなるかまで予測することという、地質学的な考え方を持っておくことで、土地・建物を買ったあと変状がでても冷静が対応が出来ますし、なにより予防防災が出来ます。工学的な指標も重要ですが、”そのときだけの値”である可能性が高いですので、応用地質学的調査を転ばぬ先の知恵として備えることも重要と思います。

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