私も投稿した砂防学会誌65巻5号に、
多田泰之・大丸裕武・三森利昭;古今近畿水害の特徴とその差異
という興味深い記事がありました。
被災地域の齢80をこれる老人が「このような災害は聞いたことが無い」というセリフは、古文書にも繰り返し書かれているし、現代の災害でも頻繁に聞くのですが、丹念に調べると過去に何度も同じ地域で発生している。
この事実は、1)災害の生じやすい場所はある程度決まっている、2)甚大な水害の発生周期は人間の寿命を超えている、3)一生に一度あるかないかの災害時に避難等で適切な判断を下すのは非常に難しい
人生のベテランでも災害のベテランにはなりえない。地形発達史的背景、地質的背景の視点もつと、人間が災害と呼んでいる現象が自然にとっては日常の仕事であることわかります。問題は、東日本大震災ほどのことがあっても、なかなか地学教育が盛り上がらんことです。”就職によいから”いう軽いモチベーションで"理系人気”といわれていますが、”理科離れ”とは違うものです。
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