○2011年3月11日
仕事で丹沢山系の防災施設点検を行っていました。丹沢山系というのは神奈川県北西部の山地で、1923年9月1日の関東大震災で多数の谷壁斜面が崩壊し、その後砂防堰堤も造成されました。凝灰角礫岩の風化・破砕が顕著であり冬の北風で落石のパラパラという音が聞こえるほどですが、砂防堰堤の築造されている場所は新鮮岩が露出する箇所にあり、80年以上経過しても健全な状態を保っている。名工は地形・地質をよく見ているという格言を実感しました。インフラの維持管理が声高に叫ばれる昨今ですが、古いから傷むという単純化された考え方が支配的です。そうではなく、歴史的建造物や古民家など何度も大地震・風雪に合いながらも立派に耐えているのは、その土地の地理的条件に応じた建築技術が用いられているからです。
話を“その日”に戻します。午後5時頃携帯電話の電波が通じる場所まで車を走らせ会社に業務連絡をしようにもつながりません。すると九州の兄から安否を確認する電話があり、車のラジオをつけて何が起こっていたかを知りました。
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