私もたまに後進の指導をする機会があります。地形・地質を理解するためには、空中写真判読や地表・地質踏査を繰り返し解釈をしゃべるのが種なのですが、こと地形分類図作成にあたっては、丁寧な記載の仕方、お手本が以外とないように思います。
その点、北海道立地地質研究所の田近先生は、地形学的解釈はもちろんのこと、とても丁寧、精緻な図表現をされるので、若手には、対象地域の空中写真を判読し図の精度を真似てみろ、と言っています。スケッチをすると脳みそが極めて活発に動くので、勉強になります。
応用地形判読士の試験においても、キーワード探し的な採点もさることながら、現象をどれだけ精緻に描写しているかも見るべきです。精緻な表現ができるということは、地形発達史を的確に把握している事の十分条件になるからです。そのためにも、ただ単に多くの地形種を読み取らせることを目的として、何が主体がわからない出題範囲を設定するのではなく、一つの地すべり地形だけにしぼって、滑落崖の侵食度や後氷期開析前線との関連、末端崩壊、腕曲状水系の発達など、地形発達に基づいた危険度区分が読み取れるような問題意識があってもいいでしょう。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jls/47/2/47_2_91/_pdf
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