映画でも3Dがはやっているけど、これも奥行きという”間”を埋めちゃうことになる。立体を具体的に説明しようとして、かえって立体的に感じなくなる。本物というか現実に近けりゃ近いほど、粗も見えてくる。平面だったら想像力が働くけど、3Dだとそれをそいでしまう。やっぱりある程度"間”がないとダメなんだけど、なんか人間というのは、技術の進歩とともにその"間”を埋めようとする。
ビートたけしさんの「間抜けの構造」という書籍の一節です。
私の専門とするところの地形分類図では、1986年に行われた東北地理学会シンポジウムで、”土地条件図は食い合わせの悪い詰め込み弁当”といわれましたが、これも間を埋め尽くそうとした結果なのでしょう。航空レーザー計測図も、あまりに詳しすぎてみているだけで地形解析の目的を達したような気分になってしまって、考察を入れる"間”を埋め尽くしているという一面もあります。羽田野誠一さんは、地形の質的構成がひと目でわかり、使うひとに”感動と実益”を与えるものでなければならないと仰っていますが、良い間合いで必要な情報が精度よく描写されていることを求められているということでしょう。
ビートたけしさんの本でも、「こうやれば客は笑うというマニュアル的なアプローチとは逆で、やてみてから「今のはだめだった、今のはけっこういけたな、と実践を積み重ねるなかで自分で考えていくしかない」とありますが、我々の仕事でも同じことがいえます。
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