最近は少々現場に遠くても、ネット環境の整ったホテルやWi-Fiの使える宿に泊まることが当然のようになりました。相手先から、いつ何時データが来るかもわからないし、メールもどっさり来ていることがあるからです。さて、、、
・増えていく一方のメールの処理に使う時間は馬鹿にならない。綺麗な会議資料を作ることにも、ミーティングの調整にもやたらと時間が掛かる。あるいは項目がどんどん増えていく管理システムへの入力。パソコンに向かって作業をしていることによって喪失する生の会話時間。
・CADによって便利になった反面失われる空間創造力や構想力。
・気になることは現場に行き、体で確かめることもする。たくさんの人と対話してみたり、たまには鉛筆を持って文章を書いたりスケッチしたりする。
ここだけ読めば、どなたかベテランの地質技術者の方が若い社員に叱咤激励しているようにみえます。空間想像力や想像力(自然観)、現場に行き体で確かめる、スケッチするなど、地質技術の向上にとって必要不可欠な言葉が並んでいるからです。実は、この文章は、IT業界の方が書かれた『是正勧告』というコラムの文章です。
http://it.impressbm.co.jp/e/2012/06/13/4428
最近私も地形分類図をPCだけで作ることが多くなりました。これは航空レーザー測量により従来の等高線図に比べて情報量が圧倒的なのだから、地形分類はややもすると現場にいかなくてもできるだろうという、一種独特の空気が背景にあります。しかし、まさしく空間創造力や構想力は、現場や手作業によってしか得られないことを実感します。このコラムに書かれている、”行動が散漫になる脳を呼び覚まし、バカにならないバランス”感覚を養う余裕がなくなってきています。
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