昨年の震災の契機とした斜面防災点検にきています。そしたら台風4号が直撃し、調査地点に向かう道の擁壁が崩壊したというのでまわり道をしてくれとのことでした。土砂の処理が終わったところで、崩壊現場を見に行きました。老朽化したモルタルの崩壊で、崩壊しなかった部分をみてみるとクラックや湧水が多く、地山との接着が悪いように思えます。受け盤の斜面や割れ目の発達した岩の斜面でした。
地形学の鈴木隆介先生は、、自然の地形は、地形営力と地形物質の抵抗力との比(工学的には安全率)において、ギリギリの状態で安定しているのである。ゆえに、自然条件の変化や人為的地形改変で安定条件が少しでも変わると、即座に地形が変化する。これが地形の特質である。ということを述べておられますが、”斜面を切土したらさしあたってモルタルで、、、”のような感じで施工され淡々と老朽化し、自然に回帰した、とでもいおうか、これからあちらこちらできりがないほど発生しそうな小規模高頻度災害です。
0 件のコメント:
コメントを投稿