段丘は一般に形成時期と起源で分類することが一般的です。起源とは、堆積低地が段丘化したフィルトップ段丘とフィルトップ段丘が侵食されてできたフィルストラス段丘(砂礫侵食段丘)。侵食低地を起源とするストラス段丘(岩石侵食面段丘)です。
鈴木先生の段丘分類法の一つに、段丘堆積物の厚さによる分類があります。段丘崖の比高に対する段丘堆積物の厚さで、砂礫段丘、谷側積載段丘、岩石段丘、サンゴ礁段丘に分類する考えです。このうち、谷側積載段丘という用語は個人的あまり聞き覚えがありませんでした。貝塚先生が1952年に地理学評論で、Valley-side superposition という用語で短報を書いておられました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/grj1925/25/6/25_6_242/_pdf
基盤岩石の表面起伏に対して河川がどの位置を下刻するかによって、ひとつのフィルトップ段丘が前面段丘崖を見る限り、部分的に砂礫段丘にも岩石段丘にも見えるというもので、一様な内部構造をもたす砂礫岩石交錯段丘ともいえるとされています。
相模川流域の津久井湖周辺では、関東の地理学科の学生が伝統的に段丘地形の巡検を行っているようですが、教科書的な段丘だけでなく一見するとだまされやすく、古くても価値のある文献があるのだということを学ぶのにいい論文と思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿