最近研究部会の活動で、中越地震で地すべりや急傾斜地の崩壊が集中した地域の地形解析を進めることになりました。久しぶりに中越地震直後の空中写真や航空レーザー計測地形図を見ているのですが、ふと、いまはどうなっているのだろうという考えがよぎりました。確かに直下型地震であり、これほど破壊された斜面もなかなかみることがなかったのですが、荒廃したのは地震直後だけ、地形発達史の時間スケールではほんの一瞬ではないでしょうか。現在植生が回復し、何度か豪雪の冬も越しましたから、不安定だった土砂は流され、地震以前の状態に大分近づいているのではないでしょうか。
2004年中越地震は、地形発達史的観点からは斜面の不安定な贅肉をそぎ落としてくれたイベントだといえます。
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