砂防学会誌Vol64,№4に、以下の論文がありました。
大丸裕武ほか(2011):2009年に山口県防府市周辺で発生した崩壊の歴史的背景,Vol64,№4,pp.52-55
「地形発達史」や「地質的」背景といったタイトルはよくみかけるのですが、「歴史的」という人間活動の所産であることが伺えるタイトルに新鮮な印象を持ったのでを通してみました。そしたら、結論(推論)としては、やはり現在の豪雨災害で、崩壊しているのは近世の山への火入れによる黒ボク土が不透水層となっていいたのではないかということでした。
人文地理の授業で千葉徳爾先生の名著「はげ山の文化」や、赤木・貞方両先生による鉄穴流しによる中国山地の地形改変の論文はよく読みました。実務で渓流調査をするようになり、渓床堆積物の多くは「歴史的所産」ではないかという予感はありましたが、このような実証的研究はあまり多くないと思います。東日本大震災以前の災害の記憶が薄れがちですが、このような地道な研究の積み重ねは重要なことです。
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