2011年2月6日日曜日

新燃岳の噴火

 文献がありました。

 井村隆介,霧島火山の地質 http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/handle/2261/13131
 東京大学地震研究所彙報. 第69冊第4号, 1995.3.31, pp. 189-209

 霧島火山は,九州南部に位置する第四紀の複成火山であり,歴史時代の噴火記録も多く残る活火山である.20あまりの小さな火山体と火口が北西-南東方向に長い30kmx20kmのほぼ楕円形をした地域に集中している.霧島火山の活動は,加久藤火砕流の噴出(約30万年前)に引き続いて起こり,休止期をはさんで古期と新期に区分できる.古期の活動では,その基盤の上に多くの火山が形成され,現在見られる霧島火山の土台が完成した.新期の火山活動は,古期の活動後数万年の休止期をはさんで,約10万年前にはじまり,現在にいたっていると考えられる.新期の火山活動では,多くの小型成層火山,マール,単成の溶岩流などが生じた.霧島火山には西暦742年以来多くの噴火記録があるが,そのほとんどは御鉢と新燃岳で起こっている.新期霧島火山の活動を通じて,長期のマグマ噴出率は日本の第四期火山の平均に近い.しかし,詳しく見ると,活動は一様に行われてきたのではなく,溶岩流出型活動期-静穏期-爆発型活動期という変遷を休止期をはさんで2回繰り返していることがわかる.

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