2010年12月5日日曜日

ハザードマップの比較(道路と砂防)

 以前にも紹介した「基礎工」2010年8月号ですが、なんとなく読んでいるうちに『道路斜面防災におけるハザードマップとその活用』と『土砂災害ハザードマップとその活用』とを比べてみると、、「ハザードマップ」の意味合いがちょっと違うのではないかという印象をもちました。
 
 両方とも『斜面から発生する土砂移動現象』という”ハザード”の部分は共通のはずなのです。まず、道路防災の方では、「道路防災地質図」「土砂到達範囲の予測」といった技術論がまとめられています。一方で、土砂災害ハザードマップの方では、設定された危険区域は既成事実として、その住民へのアウトリーチを主眼としてまとめられています。
 これは土砂移動によるリスクが道路か人かの違いであり、後者は「土砂災害防止法」があり、法律論にもなっています。後者のハザードは「(急傾斜地の)崩壊」「土石流」「地すべり」の3種類であり、最近は「深層崩壊」も仲間入りしそうな感じですが、土砂移動や斜面の挙動が法の網にひっかかってくれたら苦労はないのです。むしろ「防災」という目的をシンプルにして、土砂移動に関する議論は現場に基づき個別の議論があった方がよいように思います。

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