2010年8月29日日曜日

それこそ涼しい議論を - 北海道と亜熱帯 -

 今日サンデーモーニングの「風」というコーナーで、、今年北海道で高温と豪雨があったことを取り上げ、「日本が亜熱帯化する」「北半球全体が高温化している。北半球先進国の主要都市が実は北海道と同じかそれ以上の緯度にあるので、国土政策も再考、、」などと言うコメントが相次ぎました。終いには「日本の亜熱帯化」と全員がうなずきますが、温暖化で何が問題になるのかということに関しは・・・。
牛山先生も論文でおっしゃっていた所の『何かのイメージ』があるようなないような、、
 ちなみに、私の仕事関連でいうと、北海道といえば砂防学の一大勢力です。頻度は少ないものの豪雨や土石流はあるし、崩壊、土石流、地すべりの研究は沢山あります。

清水 収・新谷 融(1990):1988年8月豪雨による留萌・空知地域の斜面崩壊と土砂生産,
北海道大學農學部 演習林研究報告,47(1)http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/21319/1/47%281%29_P177-189.pdf

橋本,幸一郎・ 宮下, 進治・ 長崎, 信次郎(1962):火山性荒廃地の土石流防止に関する研究:羊蹄山真狩ボチノ沢における1961年豪雨時の土石流について
北海道大學農學部 演習林研究報告,21(2)http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/20811/1/21%282%29_P465-477.pdf

 TVでは、今回の高温と豪雨が、あたかも”人類全体の課題”だなどと針小棒大を地でいくような言い方をしていましたが、多分それは、1989年(パリのアルシュ・サミットの主要課題の一つとして地球環境問題が取り上げられ、また、「地球環境保全に関する東京会議」が開催されるなど、環境関連の国際会議が相次ぎ「地球環境元年」と呼ばれた年)以降に形成された、”ある種のイメージ”が広まった結果でしょう。

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