古今書院の月刊「地理」の今年1月号の特集号を紹介します。
米軍がつくった戦争時の日本地図 http://www.kokon.co.jp/5501-m.pdf
今年は戦後65年、戦後生まれの方々がいわゆる"高齢者”、"年金受給者”となっていきます。報道では、主に戦争の記憶を風化させまいとする論調です。
月刊地理のこの特集号には、人の心で変化する「記憶」とは、文字通り一線を画した「記録」が掲載されています。私は、地形分類図や地質図を通して地図に自分の考えを表現する”色塗り”を職業としています。それを考えると、この特集号に掲載されている「爆撃図」は、自分が書くとなったら背筋が凍る想いです。
特に残酷で冷厳な記事として印象に残ったのは、九州で地形が最も険しい祖母山・傾山周辺の地形図が”緊急戦闘図”として作成されていたこと。記事の筆者の赤木祥彦氏は、その目的は九州大学生体解剖事件との関係ではないかとしています。九州の山奥で戦闘とまったく関係ない地域が、地名を手書きにするほど緊急に地図が作成されているとのことでした。推定の域を出ないとされているものの、血で血(地)を洗うとはこのことです。
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