日本の建物づくりでは、「壁」は「自由な」存在だった-8(了)・・・・「住まいの原型」の記憶
この話を聞いて、湯川秀樹の言葉を思い出しました。
『自然は曲線を創り、人間は直線を創る』
『自然は曲線を創り、人間は直線を創る』
遠近の丘陵の輪郭、草木の枝の一本一本、葉の一枚一枚の末にいたるまで,無数の線や面が錯綜しているが、その中に一つとして真直ぐな線や完全に平らな面はない。これに反して、田園は直線をもって区画され、その間に点綴されている人家の屋根、壁等のすべてが直線と平面とを基調とした図形である」。「しかし、さらに奥深く進めば再び直線的でない自然の真髄に触れるのではなかろうか」。
確かに、文明の発展は合理的かつ便利であることを求めてきた歴史であるともいえるでしょう。その結果として”直線的”になるのは自然だと思います。でも、直線”的”であることではなく「直線」にしてしまおうとするとき、無理が発生します(私は、作成・提示する図面が地質図、地形分類図であるときはイラストレーターを、対策工を提案する場合はCADを用いるようにしています)。そうえいば、昨日飲み屋で、渓流防災に関しては、コンクリートの砂防ダムで土石流とめようというよりは、滝という天然のスリットダム、あるいは床固工を参考にして、それをひとつかふたつ増やすという認識でいたほうが理解しやすいだろうと語っていたことも思い出しました。
『自然は曲線を創り、人間は直線を創る』
返信削除すばらしい名言ですね。教えていただき、ありがとうございます。
近くの海岸で河川改修工事が行われているのですが、砂浜の上で蛇行している流れを直線にしています。防災上の意味も考えられず、次の大雨でまたリセットされるだろうと見ています。自分のブログで写真をのせましたので、よろしければ見て笑ってやってください。
ホントに偶然思い出したんです。ちょっとは勉強しといてよかったと思います。とはいえ、beachmollusc (山口正士) さんのサイトの方が、もっと勉強になります
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