2013年1月12日土曜日

マニュアル・データ化と技術者の育成

今日の神奈川新聞の経済面より

『老朽化、防災に2.2兆円 公共事業』
地方自治体が管理するインフラの点検、補修は「防災・安全交付金」で支援。点検マニュアルの作成や結果のデータ化、技術者の育成など、ソフト面を充実させる。

さらっと書いてありますが、マニュアルを作ってしまうとイレギュラーを見逃しやすくなります。崩壊地は山地斜面全体の数%もいけば大災害となってしまいます。、崩壊跡地という抜け殻で丈夫な箇所が要対策になってしまい勝ちですが、様式を満たせばよいのであれば、大多数の崩壊予備斜面を見ないことに陥る事態はさけなければなりません。そういう着眼点をもった人材育成こそ全てであり、記事のように並列でサラッと流せない問題と思います。

2013年1月11日金曜日

自分で判断

体罰を受けた子は、「何をしたら殴られないで済むだろう」という後ろ向きな思考に陥ります。それでは子どもの自立心が育たず、指示されたことしかやらない。自分でプレーの判断ができず、よい選手にはなれません。そして、日常生活でも、スポーツで養うべき判断力や精神力を生かせないでしょう。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130111-00000042-asahi-soci
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この事件で述べられている体罰は別の記事にゆずるとして、スポーツではなくても全ての「技術職」に関する警鐘のように聞こえます。

2013年1月7日月曜日

ガソリン難民?

今日の新聞の1面でした。

http://www.sankeibiz.jp/business/news/130107/bsg1301071826002-n1.htm
 縮小傾向に追い打ちを掛けているのが、改正消防法に基づく規制強化だ。対象は設置から40年以上経過した地下のガソリンタンクなどで、事業者が対応しない場合は使用許可が取り消される可能性もある。
 総務省消防庁によると、地下タンクの老朽化などによる油漏れ事故は23年に61件発生しており、腐食防止措置などの対策を求めている
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昨年の笹子トンネル事故で一気にインフラの老朽化が脚光を浴びました。正月に江ノ島電鉄極楽寺駅の斜面崩壊は、水道管の破裂が原因でした。作ったころは標準仕様だったのでしょうが、標準でなくなってきました。。。えらいことですが、少数精鋭の現場技術者が活躍しなければならないでしょう。 

2013年1月6日日曜日

浸水域ハザードマップの見直し

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121230/dst12123011160010-n1.htm
 東日本大震災で数百人の犠牲者を出した岩手県釜石市鵜住居地区で、想定浸水域の外側に居住していた住民が多数亡くなるなど、ハザードマップがあったためにかえって住民の避難を阻害する事例が近年、目立ってきた。このような状況に対し、防災研究者らは「避難勧告・指示が出されたときに、避難すべきかどうか、どこへ避難すべきか、住民が判断できる材料が乏しい」などと指摘し、ハザードマップの見直しを求めてきた。
 平成16年に豪雨災害で9人の死者が出た新潟県三条市は、専門家の指摘を受け、自治体では独自のハザードマップを作成した。浸水想定をもとに住民の居住環境を考慮。
木造の平屋や2階建て、鉄筋の平屋や上層階のケースごとに5段階で危険度を評価した上で、避難のタイミングを「浸水前」と「浸水後」で想定。
 それぞれについて、「在宅避難」か「自宅外避難」など具体的な避難方法を提案した。
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新潟県三条市豪雨災害ハザードマップ
http://www.city.sanjo.niigata.jp/data/gyousei/heavyrainfall_hazard_guidbook/
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三条市のガイドブックは、河川ごとに浸水域が示され、どのような状況になったら逃げたらよいかのガイドラインも示されています。さらに、自然現象の不確実性(実際どのように洪水が氾濫するかはそのときになるいまで分からない)についてもふれており、自分の判断で逃げることを促しています。現在のハザードマップでは、模範といえるのではないでしょうか。

問題は”白い地域”です。土地は洪水や土石流、掃流、様々な形態の土砂移動現象によって形成されます。昨年、私のふるさと柳川市では大変な水害にみまわれましたが、となりの(矢部川左岸側の)みやま市のハザードマップは、ほとんど”白い地域”でした。

堤防が決壊した場所はCの字状の旧河道が発達する場所で、昭和51年度に作成された治水地形分類図には明記されていました。ところが、平成19年に作成された浸水想定区域図では、この地点の決壊は想定されておらず、浸水も想定されず。 川の気持ちになって、現場の経験を生かして作ったハザードマップのほうが役に立つこともあります。

2013年1月4日金曜日

「はじめに」

 昨年(2012)年は、学会誌に3本の報告を投稿しました。テーマ、学会誌ともそれぞれ違うのですが、研究の目的と背景を述べる「背景」は、共通するものがあります。概ね、以下のとおりです。

 ①近年地震や豪雨により大規模な地盤(斜面)災害が発生している。
 ②インフラが更新時期を迎えている。
 ③だから危険箇所を抽出し、評価・地図表現(ハザードマップ)を考えねばならない。

 ①については2004年の中越地震あたりから現実に頻発するようになりました。②については、これまで盛土造成地や擁壁の点検・調査の最中に、なんかそろそろ、、、と思っていたところに笹子トンネルの事故が起こりました。ですから対策まで見据えた調査報告をまとめることが今年の課題と思っています。③は、高精度地形図を使ってもうそろそろ応用地形学図、工学的地形分類図を完成させたいところです。

 一昨年の3.11以降、明らかに忙しくなりました。昨年はそれにかまけてブログの更新頻度も低くなってしまいましたが、今年はもっと頑張りたいところです。